C/1995 O1 (Hale-Bopp) ヘール・ボップ彗星

世紀の巨大彗星

(過去の彗星を思い出して更新するシリーズ)

20世紀末の大彗星として前年の百武彗星C/1996 B2とともに、記憶に残っている方も多いでしょう。私にとっても特に思い入れのある彗星で、スケッチ枚数は最終的に100枚以上に達しました。

IMG_1899.JPG ヘール・ボップ彗星だけでファイル1冊分に。

そのヘール・ボップ彗星が発見されたのは1995年7月。当時の私にとって最大の彗星はハレー彗星だったので、1等級の大彗星が現れる!と報じられてもいまいち実感がわきませんでした。

発見当時は彗星の動きが遅かったため、なかなか軌道が決まらず、本当に明るくなるか不確実だったようです。しかし、1993年4月の写真観測が見つかったことで(観測期間が大幅に伸び)軌道が確定し、大彗星となる可能性が高まりました。

私が最初に大彗星発見の一報を知ったのがマスコミだったか、天文雑誌だったかは忘れましたが、ともかく、夕方の南に低い空を8センチ屈折で必死で何回か探しました。いくら明るいと言っても約10等。簡単には見えてきません。

1995O1_000.0.jpg 1995年8月の最初のスケッチ(見えなかった)

何度か挑戦して、10月になってかろうじてそれらしい姿を捉えましたが、実感に欠けるものでした。この時は同じ空に122P/1995 S1デ・ヴィコ彗星と、分裂・バーストした73P/シュワスマン・ワハマン第3彗星が、さらに明け方にはブラッドフィールド彗星C/1995 Q1が見えていました。

1995年の末には一旦太陽との合を迎え、1996年2月、早朝の東の空に姿を現しました。光害の多かった夕空に比べると明らかに見やすくなり、ここからが本格的な観測スタートです。この時は折から接近中だった百武彗星C/1996 B2に加え、もう一つの百武彗星C/1995 Y1、さらにシェパンスキ彗星C/1996 B1と4彗星も同時に見え、観測時間の割り振りにも困りました。

1996年のヘール・ボップ彗星は、木星軌道から接近中で、じわじわと明るくなって来ていましたが、期待した程の増光は示さず、大彗星への見通しにわずかながらの不安もありました。

彗星の姿は、鋭い中心核と透明感のある独特なコマが印象的で、これは(水ではなく)COの蒸発によるものだったのかも知れません。スケッチ画像を整理して気づきましたが、尾の伸びる方向が反太陽方向から時計回り方向にずれていました。ダストの尾が曲がっていたため、その根元を見ていたせいかもしれません。

1996年の夏には同じ空に22P/コップ彗星ブレウィントン彗星C/1996 N1、秋にはテイバー彗星C/1996 Q1が姿を現しました。1年12ヶ月間ずっと見え続けていたため、若干飽きが来て、もう永久にヘール・ボップ彗星が居続けるんじゃないかと思えるほどでした。

そして、いよいよ迎えた1997年。正月3日には早くも東の低空に4等級の尾のある姿で見え始め、すぐに肉眼でも見えるように。2~3月には夏の大三角の下に同じ1等星の彗星が並び、さながら「夏の大四角形」のようでした。唯一残念だったのは、彗星が太陽の向こう側にあり遠かったこと。高度も低く、小さい姿に終始してしまいました。光度はマイナス1等に達しましたが、大気減光を考慮した数値で、実際の印象としては1~2等級にとどまりました。

普段はスケッチしか描きませんが、めったにこない大彗星なので記念写真も撮りました。すべて標準レンズの固定撮影でしたが、24枚撮りフィルムで3~4本使いました。まだデジタルカメラが普及しておらず、フィルム現像に1日+1本1000円以上かかった時代です。掲載したもの以外にも、彗星をバックに自撮りした写真や、しだれ桜と一緒に撮ったものもあったはずですが、発見できませんでした。

1995O1_19970310T0445_15s.jpg 1997年3月10日。写真プリントは20年でだいぶ退色。

双眼鏡では淡いイオンの尾と拡がるダストの尾、そしてコマ付近の三角形が印象的で、望遠鏡では核付近のスパイラル構造が見られました。これら眼視で見える姿は、写真で見る姿とはかなり異なるものでした。

このうち、核付近のスパイラル(渦巻き)構造は3月初旬から見えだしました。当初は直線に近い縞々模様だったものが、3月下旬にはオレンジ色の渦巻状を呈するようになりました。この記事を書くにあたって、北を上に加工したスケッチ画像を並べて気づきましたが、(尾の方向角が次第にずれていくのに)この渦巻の方向は常に位置角約220~240°(南西・右下)に向かって拡がっているように見えます。おそらく、彗星核の自転軸の方向と思われますが、このような構造がわずか8センチ屈折望遠鏡でも見ることができました。さすが大彗星です。ヘール・ボップ彗星が明るかったこの時期は、81P/ヴィルト第2彗星が深夜の空に見えていました。

1995O1_075-editPosi-in20-20-0.9.jpg 1995O1_082-editPosi.jpg 1995O1_088-editPosi.jpg

1997年5月を最後に、彗星は南下し視界から去っていきました。一般的には。しかしながら、この年の秋にもう1回チャンスが訪れます。太陽から離れ、とも座にまで南下した彗星が東の超低空に出現。この時の光度は約7等。大彗星の面影はありませんが、それでも充分な明るさです。高度は最大でも10°で、観測は困難を極めました。この時期の夕空には宇都宮彗星C/1997 T1が見えていました。

彗星はさらに南下し、11月には赤緯が-50°を超え、日本からは完全に姿を消しました。初観測から最終観測までまる2年以上。非周期彗星としては異例の長さです。南半球ではさらに数ヶ月長く見えていたはずです。ヘール・ボップ彗星が去った直後には103P/ハートレー第2彗星55P/テンペル・タットル彗星がやってきました。

私の観測からの光度式は、m1 = -0.63+5logΔ+9.23 log r(n=120)で、標準等級がマイナスでした。log rの係数は10を下回ったものの、安定して増光したことがわかります。計算上、標準等級がマイナスになる彗星はたまにありますが、すべて近日点距離が2au以上の遠いもので、r=1auで実際に絶対光度がマイナスになった彗星は(おそらく)前例がありません。

COBSのサイトから取った1995年10月から1997年末までの光度はm1 = -0.65+5logΔ+8.34 log rで、同期間の観測数は1万4300以上もありました。私の1996年中の見積もりが暗めなのは、拡散したコマの中心しか見ていなかったためかもしれません。

1995O1mag.jpg

彗星の観測は、2006年(約19等)を最後に報告されていません。減光ペースが変わらなければ、計算上は今現在(2018年)も、23等級ほどで見えているはずです。誰か大望遠鏡を使って試してくれないものでしょうか。。

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観測記録一覧

1995O1_001-editPosi.jpg

  • 20.40UT m1=10.5, DC=-, dia=1' (8.0cm屈折 101x)

中心の9.5等星が暗く見える。予想位置のごく近くにごく淡い星が見える。ほぼ星状だが、コマを伴うようにも見える。といっても、星像の乱れが激しく、皆彗星にみえる。Or.6(151倍)でやっとわかる。拡散?

(補足)ヘール・ボップ彗星のはじめての観測です。とはいえ、発見を知って以来8月以降2、3回挑戦してようやくそれらしい姿を捉えました。西の空に低くなっていたので(当時所有していた)8センチ屈折で10等星を見るのはかなり厳しいものでした。この時の日心距離は6.4auで、木星はもちろん、29P/シュワスマン・ワハマン第2彗星の遠日点距離よりも遠く、私が観測した彗星の距離としては最も遠いものでした。

結局1995年の太陽との合の前に見ることが出来たのはこの日と10月25日(微光星と重なっていた)のみで、次の観測は年明けの1996年2月まで待つことになります。

1995O1_002-editPosi.jpg

1995O1_002.jpg 10月25日のスケッチ。

  • 25.39UT m1=10.6:, DC=5, dia=1.5' (8.0cm屈折 101x)2017年2月26日再検討。

非常に透明度が良く、薄明終了前から観測を始めた。今日もあきらめていたが、予報位置に明瞭な星雲状天体が確認でき驚いた。爆発でも起こったのかとも考えたが、低空まで透明度が良かったという理由もありそうである(今まで一度も見えなかったNGC6824が10等星としてスケッチできるほどよく見えた)。

(補足)この3日後の観測で、彗星があった位置に微光の重星があり、その見間違えと判断して当時は落胆しましたが、この記事を公開するにあたり再度Guide9.1で検証したところ、その重星のごく近くに(20秒角以内)彗星もあったことがわかりました。実際のところ、彗星と重星が重なったところを見たのでしょう。重星の光度を10.5等、合成等級を9.8等とした時、彗星の光度は10.6等となります。

1995O1_003-editPosi.jpg

  • 18.84UT m1=9.5, DC=4, dia=2' (8.0cm屈折 101x)

超低空だが、朝方の空で透明度は良い。予報位置付近をじっと見ていたが、数秒間青白い(色はわからないはずなのに)雲状・核ありの天体がはっきり見えた。もっとも確実に1995 O1を捉えたか不安が残る。しかし、予報された9.0等ほど明るくない。

(補足)高度10°未満の超低空ですが、Guide9.1を使って当時の位置を再検証すると、彗星の位置はスケッチと合っていました。最微星等級は9.5等程度(彗星のすぐ西に該当する微星は11等以下のため、本当に見えていたかは疑わしく、一瞬現れた人工衛星の見間違え等の可能性があり)。

1995O1_005.jpg

  • 23.85UT m1=9.5, DC=3-4, dia=2' (8.0cm屈折 101x)

2日前は容易に見えたはずだが、今日は視力の限りをつくしてどうにか光斑が認められるだけであった。観測条件によるもの?集光はあるよう。Sgrは微星が多く、微星塊を見ていないとも断言できない。

(補足)スケッチの位置は正しいので、間違いなく彗星を見ているようですが、高度12度の超低空です。最微星等級は10.5等。

1995O1_006.jpg

  • 01.83UT m1=9.0, DC=4, dia=2' (8.0cm屈折 101x)

かなり薄明が迫ってきたが、高度が上がり見やすくなった。多少目をそらすとよく見える。微星の多さは相変わらずである。光度は矢印の星に近い(10.0等らしいが、もう少し明るく見る)。

今日はこれで4彗星目。10年で一番多く、あまりの時間のなさに悲鳴を上げてしまう!

1995O1_013-editPosi.jpg

  • 16.77UT m1=8.6, DC=4-5, dia=4' (8.0cm屈折 73x)
  • 16.79UT m1=8.4, DC=-, dia=-' (5.0cmB 7x)

好条件のためよく見える。集光がはっきりしており、核にちかいものがある。外周はかなり淡くひろがっている。イメージはC/1995 Y1百武彗星によく似る。これでもr、Δ=5AUあると思うと驚きである。光度はAの星(8.73TJ。2017年3月調べ)より暗いが、ちかくの9等星よりは少し明るい。5cm双眼鏡では存在のみが見えた。Aの星なみの明るさ。

1995O1_014-editPosi.jpg

  • 16.73UT m1=7.8, DC=5, dia=4' (8.0cm屈折 73x)

なかなか透明度の良い日に恵まれない。C/1995 O1は、思ったほどの増光をしていないように思えるが、ちかくの8等星並の明るさではある。集光は強くなっている。核は、あれば10等程度か。

22Pわからず。9.5~10.0等くらいか?透明度さえよければよく見えそう。

1995O1_015-editPosi.jpg

  • 18.59UT m1=7.2, DC=5-6, dia=5' (8.0cm屈折 46x)

1995 O1の好条件での姿は2ヶ月ぶり(それでも冬ではごくありふれた天気)。いつの間にこんなに明るくなっていたのかと驚く。透明度でまったく見え方が違う。集光が非常に強く、恒星が入っているのかと思うほど。コマは淡いながらもかなり拡がり、もう少しで尾が見えそう。

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  • 1995O1_017.jpg
  • 1996年7月6日1時13分 8.0cm屈折46倍

さらに明るく感じるが、強月明+結露のためか、光度は明るく見積もれない(透明度は良だが)。ちかくの7.3等星が、測定を難しくしている。合成で6.0等以下。コマは尾がついたよう。拡散が強いが集光も強い。核は高倍率でも見えてこない(低倍率だと核状になっていたが)。

8cm屈折望遠鏡スケッチ

1995O1_019-editPosi-25-0.6.jpg

  • 1995O1_019.jpg
  • 15.52UT m1=6.5, DC=5-6, dia=5' (8.0cm屈折 23x)

透明度によってまったく見え方が違う。1ヶ月前とあまり変化してないように思える。ただ、尾が少しはっきりしてきたようだ。核がはっきりして透明感のあるコマをしている。光度があまり上がっていないのが気がかり。

8cm屈折望遠鏡

1995O1_021-editPosi.jpg

  • 1995O1_021.jpg
  • 02.53UT m1=6.3, DC=6, dia=6' (8.0cm屈折 23x)

中心核が明るい。恒星状で9等はある。内部コマはほぼ北に向かってあいている。内部コマはかなり薄く拡散していて、尾へつながっているようだ。尾は不明瞭。光度は左の恒星塊と同じくらい。また、東の6.3等とほぼ同じ。それにしても、3AU以上もある彗星がこんなに明るく見え(しかも構造もわか)るとはすごいこと。1PやC/1990 K1の最遠でももっと近かった。

8cm屈折望遠鏡

1995O1_023-editPosi-40-0.7.jpg

月がわずか20度東にあるが、台風17号後の好天に支えられたバックが白い。尾が目立っている。筋状のものが核から出ている。コマは淡く周囲が連続的に拡散しているのは、以前と同じ。核は高倍率では見えてこない。光度は南の6.37等星よりは少し明るいが、東の5.6等星よりはまだ暗い。M14よりはるかに明るい。

1995O1_025-editPosi.jpg

  • 1995O1_025.jpg
  • 16.43UT m1=5.9, DC=5-6, dia=8' (8.0cm屈折 23x)

初観測('95年10月20日)からついに1年になる。このままずっとO1が見えるような気がするほど長いあいだ見えている。あまり変化はないが、多少明るくなったような気もする。ついに5等台をうかがう所まで来た(5.9~6.1等)。コマは依然淡い。下から右に伸びる筋もどうにかわかる。核はK.20mm(46倍)では8等星に見えるが、高倍率ではかえって見にくい。126P:10.0等以下か?2'?

1995O1_027-editPosi-25-0.7.jpg

  • 1995O1_027.jpg
  • 06.39UT m1=5.3, DC=5, dia=6' (8.0cm屈折 23x)

透明度によってずいぶん見え方が異なるものだ。M14に接近した時は双眼鏡で5等星はかすかであったが、今日は輝いて見える。O1は中心がよく輝き、ジェットが見える。コマは明らかに下方に大きく尾と連なっている。9等星がコマの端にかかる。尾はK40mm(23倍)で長い。光度は近くの6.1等星より明るくその光度差と双眼鏡の観測から推定した。

1995O1_029-editPosi.jpg

  • 1995O1_029.jpg
  • 13.39UT m1=5.3, DC=5, dia=7' (8.0cm屈折 23x)

輝きが強い。コマはかなり拡がり下方へ扇状の尾へと連続している。ジェット状のものが真下へ向かっているよう。尾の長さ自体は短い。光度はちかくに比較星がないため不正確。5.3等程度か。核は恒星状。9等以下。朝の空だったらもっと尾がよく見えるかも。そういえば最近コマの透明感が感じられなくなった。H2O(OH)が出るようになったためか?

1995O1_033-editPosi.jpg

  • 1995O1_033.jpg
  • 01.38UT m1=4.7, DC=5-6, dia=10' (8.0cm屈折 46x)

核が明るく見える。核から伸びる尾が明瞭で筋状のものが真下に伸びやや右よりにも伸びている。コマも明らかに変形している。光度は4.45等星よりもやや暗いが地平近いζSerよりは明るい。4.5~4.8等くらいか。126Pは自信がない。見えた気もするが。11.0等、1.5'か。

5cm7倍双眼鏡スケッチ

1995O1_032-editPosi.jpg

  • 1995O1_032.jpg
  • 01.37UT m1=4.6, DC=6, dia=10' (5.0cmB 7x)

核が明るい。あまりに明るさのため、恒星が重なっているかと思ったほどだ。尾は近くの6等星に達するほどで、芯がある。光度はついに4等台に突入。ほんとに0等級に達しそうだ。透明度が少し悪かった11月30日には、5.6等星ぐらいにしか見えなかったが、やはり透明度は光度にかなり影響する。

1995O1_035-editPosi-40-0.7.jpg

  • 1995O1_035.jpg
  • 06.37UT m1=4.7, DC=6-7, dia=8', tail=20'< (8.0cm屈折 23倍)
  • 06.38UT m1=4.6, DC=5-6, dia=10', tail=30' (5.0cm双眼鏡 7倍)

核から伸びる直線的な細い尾が明瞭。5'以上認められる。さらに太い尾が30'くらい伸びているようだ。ジェットは3~4ヵ所から出ているようであるが、不明瞭。光度は66Ophより暗い。まとまな彗星らしい姿になってきたようだ。

1995O1_036-editPosi-60-0.6.jpg

  • 1995O1_036.jpg
  • 23.36UT m1=4.5:, DC=5-6, dia=7', tail=15'< (8.0cm屈折 46倍)

12月だというのに夕方はなかなか好天に恵まれず、ついに今日まできてしまった。17時15分ごろから準備を始めて、30分過ぎに見つけた。核の鋭くよく輝く姿であったが、比較星がとれず。光度は4~4.5等くらいか。空が青く淡い部分はまったくわからないが、尾の付け根が明瞭であった。17時45分には木の陰に隠れた。

  • 1995O1_037.jpg
  • 28.36UT m1=4.5:, DC=-, dia=5' (8.0cm屈折 46倍)

夕空の観測はもう無理かと思っていたが、透明度が良くその姿を見つけることが出来た。といっても、どうにか存在が確認できたのみ。近くの7等星より2等ほど明るい程度か。2分ほどで木陰にかくれてしまった。もう明け方の空にも見える頃だろう。薄明でまだ地面が明るい。

1995O1_038-editPosi-60-0.6.jpg

  • 1995O1_038.jpg
  • 02.87UT m1=4.5:, DC=5-6, dia=5', tail=15'< (8.0cm屈折 23倍)
  • 02.87UT m1=4.4:, DC=-, dia=-' (5.0cm双眼鏡 7倍)

ついに明け方の空に回ってきた。期待したほどの明るさではないが、核はよく輝く。また、尾が細くのびているようにも見える。コマも変形している。今日は軌道面の通過日。この星から流星は飛んだであろうか?光度はかなり不正確。47Oph(4.86等)から推定し、大気減光を考慮。薄明光を考えればさらに明るいことは確か。値は下限である。双眼鏡では意外によく見えた。

1995O1_039-editPosi-50-0.6.jpg

  • 1995O1_039.jpg
  • 03.86UT m1=4.3:, DC=6, dia=5', tail=20'< (8.0cm屈折 23倍)
  • 03.86UT m1=4.2:, DC=-, dia=' (5.0cm双眼鏡 7倍)

1日の違いだが前日よりはずっと明るく見える。コマがよく拡がってやっとHBらしさを取り戻しつつある。核がよく輝いている。コマは変形し、東側に少し大きい。尾がよく伸びている。光度は下限。双眼鏡でも明るく、θSerより明るい。

  • 1995O1_040.jpg
  • 04.86UT m1=4.0:, DC=6, dia=6', tail=30' (8.0cm屈折 23倍)
  • 04.87UT m1=4.0:, DC=-, dia=' (5.0cm双眼鏡 7倍)

低気圧接近中というのに、まだ高透明度を保っている。5時35分ごろにはまだ核の輝きが弱かったが、昇るに連れ急に輝きを増してきた。尾はかなり伸びているかも。コマの形状は昨日と同じく、東側に拡がっている。双眼鏡ではθSerより0.5~1.0等明るい。

  • 1995O1_043.jpg
  • 08.86UT m1=3.6, DC=7, dia=8', tail=30' (8.0cm屈折 46倍)
  • 08.86UT m1=3.6, DC=7, dia=10', tail=30' (5.0cm双眼鏡 7倍)
明るさに圧倒される!核の輝きは大したものだ。尾は右と右下へ伸びている。コマは遠くまで届いている。内部はかなり複雑なようだ。肉眼で薄明中、初めてかすかに姿が見えた。時間がなく残念。
  • 1995O1_044.jpg
  • 09.86UT m1=3.6, DC=7, dia=8', tail=30' (8.0cm屈折 23倍)
  • 09.86UT m1=3.5, DC=-, dia=', tail=40' (5.0cm双眼鏡 7倍)

東へのジェットの流れが強い。本来ならダストへの流れが西へ見えるはずだが。光度はθSerより0.5等以上明るい。双眼鏡ではεAqlと同じか、少し明るい。尾は2本に分かれてるor幅が広い。

1995O1_045-editPosi-40-0.7.jpg

  • 1995O1_045.jpg
  • 10.85UT m1=3.5, DC=7, dia=8', tail=20' (8.0cm屈折 23倍)
  • 10.86UT m1=3.5, DC=-, dia=10', tail=30' (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 10.86UT m1=3.4, DC=-, dia=' (0.0cm肉眼 1倍)

東寄りの尾が著しい。核から3本以上のジェットがあるようだ。外部コマの中に恒星が1つ入っている。西寄りにも薄くコマ(~尾)が拡がっている。核の集光が特に強い。双眼鏡では、εAqlか、それより明るい。肉眼でもはっきり見えた。ζAql(2.9等)と比較できる明るさ。


1995O1_048-editPosi-40-0.7.jpg

  • 1995O1_048b.jpg
  • 18.86UT m1=3.2, DC=7, dia=10', tail=50' (8.0cm屈折 23倍)

薄明の影響が薄れ、淡い部分も見やすくなっている。尾がかなり伸びているようだ。K.20(46倍)で、かなりの部分追うことが出来る。コマはいくつかの放射状の筋が見えている。柔らかい光である。尾は曲がっている。光度は、ζAql(2.99等)より、やや(0.3等)暗い。

1995O1_050-editPosi-40-0.7.jpg

  • 1995O1_050b.jpg
  • 19.85UT m1=3.1, DC=7, dia=10', tail=40'< (8.0cm屈折 23倍)
  • 19.86UT m1=3.1, DC=-, dia=10', tail=1° (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 19.86UT m1=3.0, DC=-, dia=' (0.0cm肉眼 1倍)

昨日とあまり変わらないが、尾の中に恒星が見えている。尾の(コマの)東側の境界はわりとはっきりしている。内部コマ、核はやや扁平な形(潰れている)に思える。双眼鏡でもあまり変化はない。肉眼でもよく見える。


  • 1995O1_19970120T0520_15s.jpg
  • 1997年1月20日5時20分 50mmF不明。ISO400?露出15秒。スキャン時に退色補正。
  • ※建物のすぐ上に尾の出ている光斑として写っています。

1995O1_051-editPosi-40-0.6.jpg

  • 1995O1_051b.jpg
  • 22.85UT m1=2.8, DC=-, dia=10', tail=0.5° (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 22.85UT m1=3.0, DC=7, dia=8', tail=20' (8.0cm屈折 23倍)
  • 22.85UT m1=2.8, DC=-, dia=- (0.0cm肉眼 1倍)

満月光が著しい。淡い部分はかなり見にくい。核の部分は20日と同様、やや扁平である。尾はかなり伸びているようだが。双眼鏡や肉眼ではζAqlとほぼ等光。大気減光を補正するとついに2等台に入った。

8cm屈折望遠鏡スケッチ

1995O1_053-editPosi-35-0.8.jpg

  • 1995O1_053.jpg
  • 30.85UT m1=2.7, DC=7, dia=11', tail=60' (8.0cm屈折 23倍)

下弦の強い月明が残る。高度が上がるにつれ急に輝きを増してきた。コマ内部の構造がよく分かる。尾の西側に扇状のジェットが噴水のように吹いている。コマの輪郭が明瞭であるが、尾と完全に連続している。尾も2~3本あるように思える。

5cm7倍双眼鏡スケッチ

1995O1_054-editPosi-35-0.7.jpg

  • 1995O1_054.jpg
  • 30.86UT m1=2.5, DC=-, dia=- (0.0cm肉眼 1倍)
  • 30.86UT m1=2.5, DC=7, dia=10', tail=1° (5.0cm双眼鏡 7倍)

コマから伸びる真っ直ぐな長い尾と両脇の尾がわかる。核の輝きが強い。光度は低空のγAqlより明るい。肉眼でも見えるが月明の影響を受ける。

1995O1_055-editPosi-30-0.7.jpg

  • 1995O1_055.jpg
  • 03.83UT m1=2.5, DC=7, dia=15', tail=2° (8.0cm屈折 23倍)

月明が少なくなり、いっそう彗星の輝きが増した。8cm望遠鏡による光度観測はかなり困難である。核から西方向へ伸びるジェットが顕著。反太陽側はあまりコマは明るくなく、輪郭のほうが明るい。噴水状。尾はK.20でもよく伸びている。Or.6でも十分の明るさ。


1995O1_056-editPosi-40-0.7.jpg

  • 1995O1_056.jpg 1995O1(P)_056.jpg
  • 03.85UT m1=2.3, DC=7-8, dia=15', tail=2° (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 03.85UT m1=2.2, DC=-, dia=-, tail=0.5° (0.0cm肉眼 1倍)

や座と尾が交差している。尾はコマ近くで幅広く、その一部がまっすぐ上に伸びている。光度は完全に2等星。肉眼でもよく見え、尾が薄っすらと伸びている。


  • 1995O1_19970204T0519_15s.jpg
  • 1997年2月4日5時19分 50mmF2?ISO400?露出15秒。スキャン時に退色補正。
  • (補足)1月20日のときと比べ高度が上がり明るくなっています。

1995O1_057-editPosi-40-0.6.jpg

  • 1995O1_057.jpg
  • 06.82UT m1=, DC=7, dia=13', tail=1.5° (8.0cm屈折 46倍)

核の輝きもさることながら、そこから吹き出るジェットも見事。特に核の西側のものは濃く尾へつながっている。K.20では尾が2度近くのびているのがわかる。コマ直径の測定が難しい。どこまでがコマなのか?M71が尾の中に、73倍でかすかに見える。尾のモヤで見にくい。

8cm屈折望遠鏡スケッチ

1995O1_060-editPosi-in30-30-0.6.jpg

  • 1995O1_060.jpg
  • 12.82UT m1=-, DC=7, dia=14', tail=2° (8.0cm屈折 46倍)

少しずつではあるが輝きは増しつつある。核から伸びるジェットは何本かに分かれて見える。核がオレンジがかって見えた気がしたが。

5cm7倍双眼鏡スケッチ

1995O1_061-editPosi-in25-35-0.7.jpg

  • 1995O1_061.jpg
  • 12.83UT m1=1.5, DC=7, dia=-, tail=2.5° (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 12.83UT m1=1.4, DC=-, dia=-, tail=1° (0.0cm肉眼 1倍)

尾がよく伸びる、。付け根は2つに分かれ、「核の影」のように見える。右側が濃い。ついにデネブと比較できる明るさになってきた。肉眼でも尾が明瞭。

写真(標準レンズ・固定撮影)

  • 1995O1_19970213T0456_15s2.jpg
  • 1997年2月13日4時56分 50mmF2?ISO400?露出15秒。

1995O1_062-editPosi-30-0.7.jpg

  • 1995O1_062.jpg
  • 13.83UT m1=-, DC=-, dia=15' (8.0cm屈折 46倍)

核から放出されるジェットがまぶしい。輪郭をはっきりさせるためには低倍率が良い。ジェットに真っ赤な色がついて見える。また、ジェット以外のコマは青く見える。錯覚のような気もするが?色はK.20程度でよく見える。色はダスト、イオンを反映しているのだろう。

1995O1_065-editPosi-in20.jpg

  • 1995O1_065.jpg
  • 19.81UT m1=-, DC=-, dia=12', tail=2°< (8.0cm屈折 46倍)

核の輝きが強烈。よく見ると、やや扁平である。ジェットは左側に著しい。3本の細いジェットが中に見られる。そのまま反太陽側へつながっている。右側にはジェットは見られない。尾が明らかに2本に分かれて見える。左側が濃く、さらにその中に濃い部分がある。右側は薄いがよく伸びている。

1995O1_068-editPosi-in20-30-0.8.jpg

  • 1995O1_068.jpg
  • 22.82UT m1=-, DC=-, dia=16', tail=1.5° (8.0cm屈折 73倍)
  • 22.83UT m1=0.6:, DC=-, dia=-, tail=0.5° (0.0cm肉眼 1倍)
  • 22.84UT m1=0.8:, DC=7, dia=13', tail=2.0° (5.0cm双眼鏡 7倍)

満月光で充分な観測は無理。中倍率で試みる。ジェットは扇状。紅色~オレンジ+ピンク。その周囲は緑~青。ジェットは尾の側が特に境界がはっきりしている。尾は左半分のダストの部分が特に濃い。左側の境界はやや不鮮明。イオンの尾は縁取りがやや濃い。尾の中の9等星がかすか。

1995O1_069-editPosi-40-0.8.jpg

  • 1995O1_069.jpg
  • 03.82UT m1=0.4, DC=7, dia=15', tail=3° (5.0cm双眼鏡 7倍)

月明が残り、空が明るい。Ⅱの尾が濃く見える。まっすぐ69、70Cygの方向へ伸びている。Ⅰはほとんど見えず(コマ付近のみ)。光度はαAql並だが、尾の部分を光度に加味するのが難しい。

肉眼でも尾がよく見える。いままで円形だったコマが棒状に写る。αAqlよりやや明るい。

1995O1_071-editPosi-in20-40-0.8.jpg

  • 1995O1_071.jpg
  • 04.80UT m1=-, DC=-, dia=14', tail=2° (8.0cm屈折 46倍)

見え方としては、前日に近い。扇状ジェットの縞模様(スパイラル)は錯覚ではないようだ。核はオレンジ色。Ⅰの尾は外側の輪郭がはっきりしている。


1995O1_072-editPosi-in20-30-0.8.jpg

  • 1995O1_072.jpg
  • 04.82UT m1=0.4:, DC=-, dia=18', tail=5° (5.0cm双眼鏡 7倍)

月明が残るのが惜しまれる。Ⅰはコマ付近でははっきりするが、すぐに(1度程度)淡くなる。かすかに長く伸びているらしいことがわかる。ⅡはN45°Wを軸に西方へ広がる。端ではかなり横に広がる。


1995O1_073-editPosi-30-0.7.jpg

  • 1995O1_073.jpg
  • 04.83UT m1=0.1, DC=8, dia=15', tail=5° (0.0cm肉眼 1倍)

肉眼でも核とコマ、尾がそれぞれ見える。尾はやや幅広でσCyg辺りまで伸びている。


  • 1995O1_19970305T0450_15s.jpg
  • 1997年3月5日4時50分。50mmF2?ISO400?露出15秒。スキャン時に退色補正。

1995O1_074-editPosi-in20-30-0.9.jpg

  • 1995O1_074.jpg
  • 05.81UT m1=-, DC=-, dia=13', tail=2° (8.0cm屈折 73倍)
  • 05.83UT m1=-0.3, DC=-, dia=15', tail=4° (0.0cm肉眼 1倍)

中倍率で観測。低透明度で見にくい。扇状のジェットの中に縞模様がよく見える。光度が上がるにつれ、尾がよく伸びてきた。双眼鏡ではⅠの尾はほとんど見えない。肉眼では空の反対側の火星より1等級暗い。αAqlよりは明るい。


  • 1995O1_19970306T0450_15s.jpg
  • 1997年3月6日4時50分。50mmF2?ISO400?露出15秒固定撮影。スキャン時に退色補正。

1995O1_075-editPosi-in20-20-0.9.jpg

  • 1995O1_075.jpg
  • 08.80UT m1=-, DC=-, dia=10', tail=3° (8.0cm屈折 101倍)

核から吹き出るスパイラル構造が著しい。まるでソフトクリームか何か変なものを見ているよう。低空にあるうちはシーイングのためか見え方がかわった。核はオレンジ色。スパイラルの中心は紅、辺は緑~青が混じる。


1995O1_076-editPosi-in15-30-0.75.jpg

  • 1995O1_076.jpg
  • 08.81UT m1=-, DC=-, dia=-, tail=6° (5.0cm双眼鏡 7倍)

核からまっすぐのびるダストの尾が素晴らしい。その右側に幅広く拡がっている。Ⅰの尾はかすかで、注視しないとわからない。


  • 1995O1_077-editPosi.jpg
  • 1995O1_077.jpg
  • 08.82UT m1=-0.3, DC=8, dia=15', tail=5° (0.0cm肉眼 1倍)

昇るにつれ、急激に輝きを増し観測を忘れてしまった。よく輝く核とコマ、そこから同じ輝度で尾がやや右を向いてのびている。尾はαCygまでの1/3~1/4になる。光度は、下にHBを見てベガと同じ。火星よりはまだ1等ほど暗い。


  • 1995O1_19970309T----_15s.jpg
  • 1997年3月9日(時刻不明)。50mmF2?ISO400?露出15秒固定撮影。スキャン時に退色補正。

望遠鏡(8cm屈折・46倍)

1995O1_078-editPosi-in20-30-0.9.jpg

  • 1995O1_078.jpg
  • 09.79UT m1=-, DC=-, dia=13', tail=3°< (8.0cm屈折 46倍)

核を頂点として、左側の方に波のように縞模様が拡がる。少なくとも3本は確かめられる。縞は中央付近が濃い。尾の中に微星が埋もれている。

双眼鏡(5cm7倍)

1995O1_079-editPosi-in20-30-0.85.jpg

  • 1995O1_079.jpg
  • 09.82UT m1=-, DC=-, dia=16', tail=7° (5.0cm双眼鏡 7倍)

尾はどこまで伸びているのかわからないほど。Ⅱはコマからまっすぐ上方にのびる部分と、右側へ淡く拡がる部分がある。Ⅰはコマ近くは縁取りがはっきりする。また、注視するとまっすぐ上方にかなり続いている。核は星状というより、ジェットの頂点のように見える。

肉眼

1995O1_080-editPosi-30-0.8.jpg

  • 1995O1_080.jpg
  • 09.83UT m1=-0.3, DC=-, dia=-, tail=7° (0.0cm肉眼 1倍)

肉眼でも尾が2本見える。Ⅰの方はかすかであるが。Ⅱの方は左上方に伸び、わずかに右へカーブしている。尾はαCygまでの3分の1の長さ。4:58に地平線付近が白くなってきた。

写真

  • 1995O1_19970310T0445_15s.jpg
  • 1997年3月10日4時45分。50mmF2?ISO400?露出15秒固定撮影。スキャン時に退色補正。
  • 1995O1_19970312T0413_15s.jpg
  • 1997年3月12日4時13分。50mmF2?ISO400?露出15秒固定撮影。スキャン時に退色補正。

1995O1_082-editPosi.jpg

  • 1995O1_082.jpg
  • 24.81UT m1=-, DC=-, dia=9', tail=1.5° (8.0cm屈折 46倍)
  • 24.81UT m1=-1.0:, DC=-, dia=-, tail=1° (0.0cm肉眼 1倍)

核のスパイラルが面白い。1本目の線は確かにぐるりと巻いている。2本目の線もかなり明瞭。1/3周ほどの円弧である。3本目はかすか。核のオレンジは依然強い。月明がひどい+低空でⅠの尾はほとんど見えない。

1995O1_083-editPosi-in20-40-0.9.jpg

  • 1995O1_083.jpg
  • 30.44UT m1=-0.8, DC=-, dia=- (0.0cm肉眼 1倍)
  • 30.45UT m1=-, DC=7, dia=14', tail=2° (5.0cm双眼鏡 7倍)

透明度はあまり良くない。双眼鏡で2°程度の尾がわかる。やや曲がっている。コマが赤く見える。シーイングはひどく望遠鏡で縞はほとんど見えない。肉眼ではβOriやαBooより明るい。少なくとも-0.5等級はある。減光補正すると-1.0等以上もありうる。

1995O1_084-editPosi-in20-30-0.9.jpg

  • 1995O1_084.jpg
  • 10.44UT m1=-1.1:, DC=-, dia=-, tail=4° (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 10.45UT m1=-0.5, DC=-, dia=- (0.0cm肉眼 1倍)
  • 10.44UT m1=-, DC=-, dia=12', tail=1° (8.0cm屈折 73倍)

2週間でスパイラルの方向がまったく変わった。透明度が悪く不明瞭。核が点状で非常によく輝く。核から1本目が濃い。HBはいつのまにPerまで来てしまった。まる1ヶ月好条件の観測ができてない。

1995O1_085-editPosi.jpg

  • 1995O1_085.jpg
  • 12.43UT m1=-, DC=-, dia=12', tail=1° (8.0cm屈折 46倍)
  • 12.44UT m1=-0.6, DC=-, dia=-, tail=1°< (0.0cm肉眼 1倍)

スパイラルは3月下旬に比べると見にくくなっている。地心距離や透明度のためだろうか。弧は円周の1/3~1/2に達する。2本見える。46倍がもっとも見やすく、倍率を上げるとかえって見にくい。尾は東側の境界ははっきりする。

小接近の火星の模様が素晴らしく良くみえる。


1995O1_086-editPosi.jpg

  • 1995O1_086.jpg
  • 12.45UT m1=-, DC=7, dia=15', tail=2° (5.0cm双眼鏡 7倍)

透明度が悪く月明もある。尾は2度程度は見える。Ⅱ:やや曲がっている。左側が濃い。Ⅰは見えない。

81Pは10.5等かそれ以下。あまり自信がない(22時)

1995O1_087-editPosi-in20-40-0.7.jpg

  • 1995O1_087.jpg
  • 23.45UT m1=0.0:, DC=7, dia=15', tail=3° (5.0cm双眼鏡 7倍)
  • 23.45UT m1=-0.5, DC=-, dia=-, tail=3° (0.0cm肉眼 1倍)

満月光ではあるが、ひさびさに好条件。コマ近くの構造が明瞭。ダストが左側へ流れている。3月とは逆である。尾はよく曲がりすすきの穂のよう。Ⅰの尾はわからない。双眼鏡でピントをぼかしてもαOriより明るい。肉眼ではαAurとほぼ同じ(わずかに暗い)。曲がった尾がわかる。

1995O1_088-editPosi.jpg

  • 1995O1_088.jpg
  • 24.45UT m1=-, DC=-, dia=12', tail=1.5° (8.0cm屈折 46倍)

核の輝きも強いが、そのすぐ近くに輝くダストの塊がある(核を1/4周ほど取り巻く輪)。一見すると核が分裂しているようにすら思える。その外側にスパイラルが1~2本みえるが不明瞭。

18~19世紀の大彗星のスケッチに何層にも重なったコマや複雑な形のものが描かれているが、今わずか8cmのレンズでそれが見えてると思うと、やはりHBはすごいのだろう。それも⊿=1.6AUで。


1995O1_089-editPosi.jpg

  • 1995O1_089.jpg
  • 24.46UT m1=-, DC=7, dia=15', tail=3° (5.0cm双眼鏡 7倍)

夕方の観測では今までで最高の条件。曲がった尾が特に美しい。観測を忘れてしまう。尾の長さは短い。Ⅰの尾は見えた気がするが、あまり自信がない。


1995O1_090-editPosi.jpg

  • 1995O1_090.jpg
  • 24.45UT m1=-0.5, DC=8, dia=-, tail=3° (0.0cm肉眼 1倍)

ひさびさの肉眼スケッチ。肉眼でも尾が曲がっているのはわかる。カペラと互角。減光を考えれば、まだマイナス等級。シリウスとも比較できる。

1995O1_091-editPosi.jpg

  • 1995O1_091.jpg
  • 25.45UT m1=-, DC=-, dia=10', tail=1° (8.0cm屈折 73倍)
  • 25.45UT m1=-0.3, DC=-, dia=-, tail=2° (0.0cm肉眼 1倍)

前日の核近傍のダストのリングは変化しているものと思ったが、あまり大きく変わっていない。やや大きくなった??ダストの弧は核が帽子をかぶっているように見える。その外側の扇形の部分は縞には見えない。もはや明瞭なスパイラルは見えなくなった。46倍か73倍がみやすい。101倍以上では倍率過剰か、見にくくなる。

1995O1_094-editPosi.jpg

  • 1995O1_094.jpg
  • 29.44UT m1=-, DC=-, dia=10', tail=1° (8.0cm屈折 46倍)

核のまわりを取り巻く小さな弧はまだ存在しているが、数日前に比べると輝度は低下しどうにか認められるだけである。核から太陽方向にひろがる扇状の明るい部分は容易に見える。核はいまだに非常に明るく、明るすぎて他の恒星と比較できない。

1995O1_095-editPosi-in20-40-0.8.jpg

  • 1995O1_095.jpg
  • 09.45UT m1=0.7, DC=-, dia=- (0.0cm肉眼 1倍)
  • 09.45UT m1=1.2:, DC=7, dia=7', tail=0.7° (5.0cm双眼鏡 7倍)

月と同一視野に入る。電柱も見える。淡いが尾もまだ見える。やや曲がっているが左上にのびている。


1995O1_096-editPosi-in20-40-0.8.jpg

  • 1995O1_096.jpg
  • 09.46UT m1=-, DC=-, dia=8', tail=0.5° (8.0cm屈折 46倍)

中心核が明るい。一見すると尾のある構造のないコマだけの彗星になってしまった。ただ、注視すると尾の右側の明るいこと、中心が扇状であることがわかる。

81P(21時30分)見えず、10等以下。2903もかすか。5月18日HB見えず。透明度2-3/5

1995O1_101-editPosi-40-0.7.jpg

  • 1995O1_101.jpg
  • 26.82UT m1=7.5:, DC=6, dia=2' (8.0cm屈折 73倍)

さらに低空になっていよいよ見にくくなった。73倍以上で凝視してようやく見える。シーイングは最悪。9.5等程度までみえる。101倍で集光しているのがわかる。光度はかなり不正確。もう最高の透明度にならなければ、ついに最終観測になりそう。

C/1997 J2(1'、12等?)103P(11等以下)見えず。

1995O1_103-editPosi-40-0.6.jpg

  • 1995O1_103.jpg
  • 31.83UT m1=7:, DC=-, dia=- (8.0cm屈折 73倍)

透明度に恵まれて再び観測することが出来た。ほとんど諦めてたが。予報位置を73倍~101倍で20分ほど探し、恒星(すべての恒星が惑星状)よりも面積の大きい雲状天体を見つけることができた。目をそらし気味にコントラストの違いで検出。電線や電柱に邪魔される。朝、南の空は1~2度まで雲がたちこめていた。まさにギリギリのセーフ。(翌11月2日、シーイングは良かったが見つけられず。極限8等ぐらい。1日が最終であった)