21P/Giacobini-Zinner ジャコビニ・ツィンナー彗星

1998年の回帰まとめ。

ジャコビニ・ツィンナー(ツイナー/ジンナーとも)彗星は、典型的な木星族の周期彗星で、彗星よりは関連流星群のジャコビニ流星群(10月りゅう座流星群)の方が圧倒的に有名でしょう。

この彗星の存在は、自分が小学生だった頃にハレー彗星が接近する少し前、何らかの情報源(たぶん天文雑誌や図鑑等)を元に、1985年に回帰することや探査機が接近することも知っていました。ただ、当時は5センチ双眼鏡(未だに現役!)しか持っていなかったため、8等程度と予報されていたこの彗星を見ることはできず、指をくわえるしかありませんでした。しかもこの時はジャコビニ流星群の大出現も見のがして、これも長らく心残りでした。

その後の回帰は地球からの条件が悪く見ることはできず、この彗星をいつか見てみたい!という願いは13年後の1998年10月になってようやく叶えられました。しかも(記憶にはありませんでしたが、スケッチを見返して)、彗星の初観測と流星群の出現は同じ日に起きたようです。この日は小惑星による恒星食もあって忙しい夜となりました。流星群の方は、まるで花火や雪片のように痕を残しながらゆっくりと舞う流れ星が特徴的で、今でもよく覚えています。

1998年の回帰では、8センチ屈折で9月16日以降2度の失敗ののち、10月8日にようやく小さい姿をとらえることができました。当初は集光が強い小さい姿だったのが、次第に大きくなり拡散していったようです。私が観測した限りでは光度式は近日点の前後で対称的でした。しかしより多くの観測からは近日点前の方が明るかったらしく、これは集光度の変化と関係しているのかもしれません。

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続く2005年の回帰は明け方にあり、2012年の回帰は暗かったためか、観測はしていません。2018年の回帰は地球に0.4auまで接近するため北天で7等まで増光する可能性があります。

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観測記録一覧

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  • 20.80UT m1=11.0, DC=3, dia=2.0' (20.3cmシュミットカセグレン 133倍)

だいぶ南下し、高度も下がった。もう無理かと思ったが注意深く見ると20cm100倍以上で見つかる。62倍では厳しい。拡散したが、集光はまだ保っている。尾は想像もつかない。64P、38Pよりも見づらい。今回帰はこれで見送ることになりそう。

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  • 06.78UT m1=9.5, DC=3-4, dia=3' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

月明がなくなり、輝く姿を期待したが、まったく逆で、20cm62倍で(視野に入れても)すぐに見つからないほどの姿。目が慣れ、ようやく大きく拡散したコマが見えてきたが、かなり減光している模様。南下や結露を考えても9等以下。

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  • 01.80UT m1=8.2, DC=4, dia=4' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

ベランダから眺めるつもりだったが、ちょうど屋根のかげに隠れていた。薄明開始時刻になって、やっと口径分の空が見えた。最初はほとんど存在がわからず、次第に淡い雲が見えだしてきたため、図らずも口径差による見え方の違いを体感できた。1ヶ月前に比べ集光が弱まってきている感じ。20cm100倍で12等程度の恒星状の核。天頂に月があるためか、尾はわからず。36倍より62倍の方が見やすい。コマは淡い部分が大きく拡がっている。光度は近くの8.1~8.4等星程度。

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  • 09.73UT m1=7.4, DC=4, dia=6' (3.0cm双眼鏡 8倍)
  • 09.75UT m1=7.3, DC=5-6, dia=3', tail=17' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

雲が多かったが、週間予報で星空が望めそうにないので、寝ようとしたところを起きて(ダメ元で)観測。幸い晴れ間は増えてくれた。21Pは明るいが3週間前と大きい変化はない。よく集光し、12等の星状核がわかる。20cm62倍で細い尾が長く伸びる。36倍ではバックが白くかえって見にくい。近くの恒星と相対位置をぐんぐん変えていくのがわかる。3cm8倍双眼鏡でも観測。小さい光斑。近くのM36などのほうが目立つ。

(追記)3cm双眼鏡で、軽く見るだけで寝るつもりでした。

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  • 21.68UT m1=7.7, DC=6, dia=3', tail=10' (20.3cmシュミットカセグレン 36倍)

前回の観測で核近傍の構造が複雑だったため、高倍率でスケッチ。17日よりはやや薄れているような気もしたが、核から太陽方向へ扇状の流れがあるよう。太陽背面への尾も伸びる。左右対称でなく片側が薄い?核は12.7等星と同じとした。光度は(17日から)あまり変化がない。

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  • 17.72UT m1=7.8, DC=5-6, dia=5', tail=6' (20.3cmシュミットカセグレン 36倍)
  • 17.76UT m1=7.8, DC=-, dia=5' (5.0cm双眼鏡 7倍)

空の透明度が良く、素晴らしくよく見える。視野の中でも最も明るい天体になっている。中心角は12等の恒星状。1時40分頃は12等星がコマの中にあったが、ぐんぐん移動していった。集光も強い。20cm100倍以下では下方(西南西)に伸びる尾がひと目で分かる。目をそらすと結構長いよう。付け根は幅広い。317倍ではコマ内部は太陽方向の方が明るい(扇状?)光度は近くの7.8~8.0等星と同程度。もっと明るいかも。48P、64P、38Pは見えず。

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  • 0021P-2018_003.jpg
  • 09.58UT m1=8.6, DC=5, dia=4' (20.3cmシュミットカセグレン 36倍)

雲が迫っていたので、まだ低空だったが大急ぎでスケッチ。以前と比べ見違えるほどよく輝いている。いかにも彗星らしい彗星を久々に見た気がする。よく集光し、20cm62~100倍で中心は星状核。意識するとコマが変形し尾のように伸びている気がする。光度は近くの7.9等星に近い気もしたが、8.7等星にほぼ同じ~わずかに明るい。

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  • 0021P-2018_002.jpg
  • 20.65UT m1=10.0, DC=4-5, dia=2' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

前日は、望遠鏡を向けた途端雲に覆われたので1時間早く観測。集光のある姿でみやすい。透明度が悪く輝くほどではない。コマに微星が近い。光度は近くの9.9~10.2等星とほぼ同じ。NGC7354は小さく集光した星雲。167倍で見やすい。

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  • 13.70UT m1=10.4:, DC=4-5, dia=2' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

20年ぶりの再会。空の透明度が悪いが天頂ちかいためか、20cm62倍でも光斑としてわかる。62倍では集光は感じられないが100倍で小さく集光しているのがわかる。変形しているように思えたが、詳しく見る前に雲で覆われ、5分で見えなくなってしまった。光度は10.9等星より明るい。10.3等以下か?

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  • 20.40UT m1=10.0:, DC=4, dia=2' (8.0cm屈折 73x)

透明度はかなり良いが9等星がかすか。8センチ101倍でどうにか21Pの淡い姿が見えてくる。集光は弱い。73倍では存在のみ。光度は10.0等くらい。9.5等の可能性もないわけではない。よっぽど透明度+シーイングが良くならないと最終観測の可能性がある。

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  • 17.38UT m1=9.5:, DC=3, dia=2' (8.0cm屈折 101x)

強風と悪シーイングで低空のため9等星もつらい。透明度が上がり期待したのだがかなりかすか。8センチ101倍でようやく存在がわかる。73倍ではほとんどムリ。9.5~10.0等くらいか。あまり観測自体に自信が持てない。

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  • 25.40UT m1=9.6, DC=5, dia=2' (8.0cm屈折 46x)

透明度のせいか9等星がかすむほどであまりさえない。といっても8センチ46倍でも見えるようになり、着実に明るくなっている。やや集光度が落ちた気がする。ちかくの9等星なみの明るさ。73倍ではかえって見にくい。101倍で見やすい。9.6~9.4等か。

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  • 18.41UT m1=10.2, DC=6, dia=2' (8.0cm屈折 46x)

集光が強い。8センチ46倍でも見えるようになってきた。101倍でも中心がよく輝き、恒星状の核がある。コマはちかくの2つの10等星の間ぐらい。光度はすぐちかくの10等星(10.3~10.4?)に近いが、接近しすぎて光度見積もりが難しい。103Pや55Pとは対照的な見え方。

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  • 11.42UT m1=10.0:, DC=5, dia=1' (8.0cm屈折 46x)

8日に比べずいぶん見やすくなった。透明度は悪いはずだが。46倍で小さく集光し、微星状。101倍で核のような微星があるが付近にも星が多いようで紛らわしい。コマは1'~1.5'か。光度はちかくの9.5等星よりもやや暗い程度。9等星が暗く見える。低倍率では空が白い。

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高透明度でどうにか見ることができた。8センチ101倍で小さくよく集光している。E銀河のよう。構成上の輝点があるが、核か微星なのかわからない。南東の微星も同じような見え方。73倍でもわかるが、101倍がもっとも良い。

今日はジャコビニ群の流星が結構(HR10)見えた。母彗星と流星を同じ日に見えるとはなんとタイミングの良いことか。