C/2015 F4 (Jacques) ジャック彗星

まとめ。

2015年の夏頃に見られた微光彗星です。11等級程度にとどまったため、あまり注目はされませんでしたが、急増光して夜半に天頂近く位置したこともあり、観測はしやすい彗星でした。終始集光が強く小さいコマを維持し、近日点頃には尾も少し伸びました。

近日点通過の2015年8月10日頃は天候が悪く、残念ながら見ることは出来ませんでした。近日点距離は1.64auで、7月16日頃に衝の位置で0.76auまで地球に接近しました。

観測できたのは5回だけでしたが、得られた光度式はm1 = 5.01+5logΔ+29.54 log rで、確かに急増・減光したようです。コマの実直径は観測期間中0.0005au程度で一定していました。

2015F4mag.png

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観測記録一覧

2015F4_001-editPosi.png

  • 23.75UT m1=11.9, DC=5-6, dia=1' (20.3cmSCT 167x)

想定外の星空のため準備をまったくしていなかったが、急いで星図をプリントアウトして臨んだ。すでに薄明が始まって雲もかかっていたため、あまり期待していなかったが、意外にも見えた。集光して小さい。微星塊の見間違いかとも思ったが、12等星は付近にはないよう。時間がなく倍率を変える余裕もなかった。近日点は2ヶ月先で期待できるかも。

2015F4_002-editPosi.png

  • 10.67UT m1=11.2, DC=6, dia=1.0' (20.3cmSCT 133x)

透明度が悪く、C/2014 Q2のあまりの見えなさに望遠鏡を向けるのをやめようと思ったほどだったが、見てみると高度の高さのせいもあってか、意外と見やすく、前回より明らかに見やすい。100倍以上ではQ2以上かも。よく集光して小さくまとまっているため、倍率を上げた方が俄然見やすくなる。光度は11.2等星に近いが10.8~10.7等星とも比較できる明るさ。10等台かも。