290P/Jäger イェガー彗星

1998/9年の回帰まとめ。

1998年に発見された新周期彗星。発見当時はP/1998 U3と呼ばれ、2013年に検出されP/2013 N1、そして290Pの周期彗星番号が振られた。発見時は、11等程度の微光ながら集光が強く、透明度の良い冬空の下でほぼ天頂にあったので、8センチ屈折の小望遠鏡でも見ることが出来た。近日点通過の1999年3月頃には逆に拡散してしまったので、若干のバースト状態にあったのかも知れない。

14年後の初回帰だった2013年は、同様の観測条件だったにもかかわらず、12等より明るくならず見る機会はなかった。

もともとは、8auを回る円軌道だったものが、1991年に土星に接近して今の軌道に降りてきて発見されたらしい。しかし、2020年には再び土星に接近して次回帰の近日点距離は2.1auから2.3auに大きくなってしまう。さらに2029年の回帰は7月で条件が悪く、その次の好条件回帰となる2045年1月まで待たねばならないが、それまで彗星のスタミナが保っているかどうかわからない。果たして、もう1回この彗星を見ることは叶うかどうか。

標準等級は、H10=7.2、またはH20=3.7

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観測記録一覧

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m1=11.0: , DC=5 , dia=1' (8.0R11 73x)

8センチ46倍で見て、11等星のひとつが星雲を伴って見える。単なる重星のような気もする。101倍で注視すると、雲の中心がわずかに星を外れ、南にあるようにも思える。4時40分:わずかに位置がずれたような?高度が少し下がっただけで11等星が見づらくなっている。惑星状星雲を連想させる。

以前の観測は、確かに彗星であった。9等重星ちかくに明瞭に見える。46倍でわかるが、多少倍率を上げた方が良い。集光がしっかりした小さいコマ。核はわからない。

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46倍では位置が分かれば見やすい。あまり大きな変化はない。すぐ西に微星がある。核があるようにも思える。光度は11.1 ~11.3等ぐらいか。10等台といわれても不自然ではない。

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22時頃見た時は、なかなか見つけられず、かなり淡く暗くなったのかと思ったが、一度見つかれば大したことはない。微星が彗星の近くに集まるため見にくい。わずかに集光が落ちた気がする(4~5)。光度は11.0~11.2等くらいか。2日前の時の方がずっと見やすかった。73倍が見やすい。

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1998U3_005-editPosi.png

m1=11.3 , DC=5 , dia=2' (8.0R11 73x)

昨日の時は微かだったが、今日は結構明るく見える。集光が強く見やすい。核がありそう。光度は11.0等よりは暗いようだ。

52Pは月が出てきたせいか、微星が重なったせいか明瞭にはわからず。ただし、昨日の52Pの位置には微星はなく確かに52Pと確認出来た。