初観測である。はじめのうちは1988aがあること自体疑わしかったが、彗星が伝染に引っかかった時、核もよく分かった。
(追記。2015年11月10日)スケッチの追記にもあるとおり、この1988年2月21日の観測は彗星の位置が異なるため見間違いのようです。地平ちかくの街灯の明かりがゴーストとなって、視野内で一瞬彗星状に見えたのかもしれません。当時の彗星位置を計算すると、視野円の左上の恒星(9等星)のすぐそばにありました。
1988年2月21日18時55分(TZ=+9)の小数表記:21.41319UT = 21.41384TT (ΔT=55.8s)
r=1.098au Δ=1.816au α=0h13.2m δ=+1°06'(2000.0)
高度 alt=12.2°/方位角 A=262.3°(西)
あまり核はわからない。
(2015年11月10日追記)スケッチに書かれている恒星が同定できないことや、当時の観測条件(透明度)が極めて悪いことを考えると、この観測も疑問が残ります。この時の高度は8度しかなかったようです。
1988年4月9日19時20分(TZ=+9)の小数表記:09.43056UT = 09.43120TT (ΔT=55.9s)
r=0.859au Δ=1.453au α=1h05.2m δ=+43°01'(2000.0)
高度 alt=8.0°(大気差を補正した見かけ高度=約8.1°)/方位角 A=318.5°(北西)
少ない時間ではあったが、はっきり見えた。核(内部コマ)は大きい。コマも大きい。二周運動ですぐに木の陰になって見えなくなった。
(2015年11月10日追記)スケッチにはほかに恒星が描かれていませんが、観測条件や、彗星が明瞭に描かれていることから、これは確実な観測かと思います。
比較的はやく見つけられた。核は鋭く小さいのがあった。コマは大きい。尾はあったようだが、予報の方向と違うので見間違いだろう。内部コマは不規則な形。
(2015年11月10日追記)彗星そばの微星の位置が実際と異なっています。描き間違い?
02.44UT m1=7.0, DC=-, dia=7' (8.0cm屈折 46x)
コマは少し小さくなった気がした、中心部はあかるい。尾は、途中に塊みたいなものがあった??
02.45UT m1=7.2, DC=-, dia=10' (5.0cmB 7x)
ごくうすい姿であった。核も分からない。少ししか観測しなかった。
08.46UT m1=7.0, DC=-, dia=9' (8.0cm屈折 46x)
目をこらすとかなり尾がわかる。核は意外に明るく鋭い中心部を見つけるのに苦労した(内部コマがかなり明るい)。コマの構造はOr.6(151倍)でも、わかるようでわからない。が、太陽の反対に尾の根があり、太陽側にジェットが見えたようだ、外部コマはかなり広がっている。(Liller~c星間の半分ぐらい)。光度は略図のBの星の合成等級くらい(少し彗星が明るい)。尾の一番濃いところは、外部コマの半径と同じ大きさ。その先にごく淡い尾。
(双眼鏡スケッチ)
08.48UT m1=7.2, DC=-, dia=5' (5.0cmB 7x)
コマは小さい。核ははっきりしたものはわからないが、明るい。尾は小さいものが少し出て(濃い)その後ろに淡いものがある。尾は見にくいが、根元の方はよく分かる。Halleyの縮小版といったようだ。
08.78UT m1=7, DC=-, dia=5' (8.0cm屈折 23x)
薄明が早く来たので長くじっくりと見ていられなかったが、核を見つけるのが非常に困難。内部コマが目立つ。内部コマはちかくの恒星(複数)と同じぐらいなので8等とした。2つの恒星を覆う(または非常に接近)ように尾がよく見えた。もう少し早い時間に見たらかなり濃かっただろう。
(双眼鏡スケッチ)
08.79UT m1=7, DC=-, dia=5' (5.0cmB 7x)
1988eは15分ほど探してもわからなかった。1987gは観測せず。この彗星1988aはついでに見たもの。しかし、尾がとても長く見えたのには驚いた。月明と薄明を感じさせなかった。コマは小さい。いつの間にか薄明が押し寄せてきたので大急ぎでスケッチをした。光度は正確に測定せず(空が真っ青なのに彗星は見えた)かつての1982iハレー彗星を思わせた。
12.78UT m1=6.2, DC=-, dia=10' (8.0cm屈折 46x)
コマの大きさには驚いた。透明度がよい上に、月明がないのもその理由だろう。嫌でも尾が見えた。核は鋭いのが無く、内部コマの大きいのが目立った。光度は北側の星より0.2~0.4等低いと見積もった。Or.6では核らしいものが見えたようだが?尾は左側(西側)からのびているように見えた。コマの詳細は薄明のため分からず。
(双眼鏡スケッチ)
12.78UT m1=6.3, DC=-, dia=10' (5.0cmB 7x)
かなり迫った薄明で、詳細不明だが、光度は北の星より0.3等暗いとした。尾は3時25分によく見えたが、あまり長くはなかった。
13.51UT m1=6.3, DC=6, dia=7' (8.0cm屈折 46x)
朝より低い透明度のせいで、それほど尾は見えなかった。光度はAの星より0.3等、Bの星より0.4等それぞれ低い(但し恒星A、Bの光度はよくわからない)。Or.6では核はほとんど分からない。内部コマは明るい。構造は、コマの西側が複雑。Ω状である。
13.53UT m1=6.0, DC=6, dia=5' (5.0cmB 7x)
光度はχの星と同じであったが、χの星自体何等だかわからない。星図によると5.75~6.25等なので、6.0等としておいた。しかし0.2等の誤差は含まれる。ごくうすい尾が見えた。核は不明。コマは小さい。
18.51UT m1=8.0, DC=4, dia=5' (8.0cm屈折 46x)
かなり暗くなったように見える。光度は周りの星より少し明るいが、それらの星は星図に乗ってないので、彗星がかなり暗いことは確か。核が見えてきた。
18.53UT m1=7.0, DC=-, dia=5' (5.0cmB 7x)
一見暗いが、実際はそれほどでもない。光度は←の合成等級くらい。核はほとんどわからない。尾はなし。
19.52UT m1=8.5, DC=4-5, dia=5' (8.0cm屈折 46x)
透明度が低いとはいえ、光度の低下ぶりは異常である。もしかしたら1987sのように、また明るくなるかもしれない。
29.50UT m1=8.3, DC=5, dia=5' (8.0cm屈折 46x)
雲に悩まされながらスケッチをした。はっきりした核は認められなかったが、内部コマはあった。光度はAより0.3等暗く、Bと同じ。南西の星よりは明るい。コマは小さい。尾はあったようだ?
04.49UT m1=8.6, DC=4, dia=4' (8.0cm屈折 46x)
予想に比べればそれほど暗くない。A'の星を8.1等としたら彗星は0.5等暗い。Aの星と同じくらい。コマはCo~A間の1/4~1/3。核はほとんど暗くわからない。辛うじて点状に暗く見える。尾はほとんど無いか、わずかに認められる?
04.50UT m1=8.5, DC=-, dia=' (5.0cmB 7x)
わずかに連星状になった星の一方に見えるだけ。光度はその星と同じ。恒星と区別が付かない。
07.51UT m1=9.2, DC=4, dia=5' (8.0cm屈折 23x)
光度は良い比較星が無く正確ではないが、暗めである。但し、9.2等という光度は0.1~0.5等上方修正のこともある。コマは暗い者の、大きさもありしっかりしている。核は結構明るかった。限界等級より0.2~0.5等明るい。しかし小さいことには変わりない。内部は8センチの限界か。ほとんどわからず。尾は無かった?
14.57UT m1=9.3, DC=2, dia=5' (8.0cm屈折 23x)
やっと見えている。近くに輝星があったからすぐ見つかったが、なかったら大変であったろう。核はよく見えた。コマはわりと大きい。