2015~2016年の冬季に見られた彗星のうち、もっとも微光に終始した彗星です。近日点距離は2.7auと遠めで光度も12等よりも明るくなりませんでしたが、北天高く位置し、集光度は強めだったおかげで20センチクラスの望遠鏡でも見ることができました。また、6等まで増光したC/2013 X1パンスターズ彗星と同じぐらい長い期間見え続けました。
一定の明るさで見え続けたように思えてしまいますが、この間何度か暗すぎて見出すことができない時期もありました。COBSのデータを細かく見ると、近日点通過した2016年3月前後の2~3ヶ月間は光度の落ち込みがあます。実際に彗星の光度が暗くなっていたのかもしれませんし、単に地平高度が低かったことによる効果かもしれません。
グラフの光度式では、計算上は標準等級がマイナスになってしまいますが、日心距離の変化が小さくlog rの係数が求めにくいことも一因です。それでもH10=6.1、H15=3.9ほどで、太陽に近づけばC/2013 X1並に明るくなりうる彗星だったことはわかります。