2014年の8月に発見され、翌2015年の1月に地球接近・近日点通過した彗星です。明るい彗星で1年近くにわたって観測できましたが、近日点距離が1.29auであまり太陽に接近しなかったのは残念です。

発見頃は南天に低く、日本からはほとんど見えませんでしたが、冬に明るくなった状態でいきなり見えだし、急速に北上して一気に肉眼彗星まで駆け上がりました。

集光の強いコマが特徴でしたが、太陽から遠かったためか、恒星状の核以外は目立った構造はなく、尾は淡く見えるにとどまりました。それでも写真では10度以上の尾が写ったようです。肉眼ではしばらく4等星の微星として見え、郊外の空ではそこそこ楽しめました。

1月末の近日点までの増光ペースが極めて速く、logrの係数kが40近くになるほどでした。このため、減光も早く4~5月には望遠鏡でも視界から消え去ると思っていました。ところが、近日点を過ぎても明るさは維持したままで、双眼鏡で見えなくなると思っていた3月になっても肉眼等級を維持していました。この頃に減光ペースを考察した記事を書いています。

その後も減光ペースは極めて遅く、k=8程度のペースで10月まで見え続けました。予想していた「7月」説と「12月」説の中間ぐらいの減光ペースだったようです。

2014Q2mag.png

この光度変化の原因はわかりませんが、コマ直径と何らかの関係はあるのかもしれません。この彗星は、近日点通過に向けて(他の彗星と同様に)コマ直径も大きくなりましたが、通過後も小さくはならずそのまま一定のスピードで拡大を続けました。

2014Q2coma.png

グラフ中◎は双眼鏡観測です。近日点通過後もコマ直径が拡大を続けていることが分かります。○の望遠鏡観測では、ペース自体が衰えることなく6月まで拡大を続けています。6月以降は小さくなっていますが、太陽から遠ざかり彗星自体が暗くなったため、外端が見えなくなってしまったのでしょう。通常なら拡散して見えなくなってしまうコマがそのまま見え続けたことが、光度の維持につながったのでしょう。コマ(塵)の成分に何らかの特徴があるのかもしれません。

コマ直径の拡大スピードは、2014年9月を起点とすると、望遠鏡測定では目分量で0.0007au/月=時速145キロメートル(双眼鏡はその約2倍)でした。

観測一覧はこちら。

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