1889年にL. Swiftにより発見された歴史ある周期彗星で、当初は「スイフト彗星」と呼ばれていました。1895年にはSwiftが別の周期彗星を単独発見したため、以降「スイフト第1彗星」と改称されましたが、1回のみの出現の後は姿を見せず行方不明となりました。1973年にTom Gehrelsにより発見された微光の彗星が、この彗星の再発見であることが判明し、以降は「スイフト・ゲーレルス彗星」と呼ばれています。

2018年の回帰は、近日点を通過する11月頃に地球に0.4auまで接近する好条件で、9等級程度に明るくなる予報も出されていましたが、同じ時期に46Pや38Pも回帰するため、あまり注目されていませんでした。ところが、8月になってバーストを起こしているとの情報があり、観測を試みたところ、数回挑戦した後、見ることができました。

拡散した姿でしたが、実際に9等級まで明るくなりました。海外では8等台の報告も多かったようです。拡散した大きなコマを含めると明るく見積もられるのでしょう。近日点に近づくと急激に明るくなるタイプのようで、今回もバースト的増光として捉えられました。

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急増光後の光度観測からは、私だけの値からも、COBSの報告値からも、近日点通過後約2ヶ月後に光度のピークが来る光度式が得られました。

2018年の回帰は前後100年で最高の条件でした。2028年、2036年の回帰では1auより近づきませんが、2046年には地球に0.5auまで接近するようです。

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