29Pは、木星の外側で時折バーストを起こしながら円軌道を描く彗星としてあまりにも有名。

通常15等級前後でそう簡単に見られるものでないと思っていたが、2004年9月にほぼ恒星状の光斑を見たのが初観測になった。ただ、どういう経緯でその時望遠鏡を向けていたのかは覚えておらず、20センチを購入したばかりだったので、目試しのつもりだったのかもしれないし、あるいは何らかのバーストの情報を得ていたのかもしれない。ともかく、運良くバースト初期を観測できた。その時はスケッチは残さなかったので、1週間後に初スケッチを描いた。

以降数年おきに何度かバーストの情報があると望遠鏡を向けたが、特筆すべきは2009年初のバーストで、前年暮れのバーストのあと、さらにバーストを起こし、11等級を上回る明るさとなった。そして8センチ屈折望遠鏡でも観測できた。木星以遠の彗星を見たのはヘール・ボップ彗星以来。

他のバーストを起こす彗星同様、最初は恒星状の核が輝きだし、次第に集光度を落としながらコマを拡大させていくのが特徴。全光度自体はほとんど下がらないが、拡散するので眼視的には次第に見えなくなる(光度が落ちるのは中心の集光部のみを測光するからだろう)。

昔はバーストするとIAUCに載るほど希有な現象のはずだったのに、近年はしょっちゅうバーストしているような印象を受ける。実際に彗星自体が活性化しているのかもしれないし、大口径を扱える彗星観測者が増えたせいかもしれない。

将来、木星軌道のトロヤ群小惑星の探査が計画されているが、この彗星の探査もぜひお願いしたいものだ。

観測継続中のため、今後も追記予定。

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