10P/テンペル第2彗星は近日点距離が1.4au程度の典型的な木星族周期彗星で、衝の位置で近日点を迎えるとそこそこ明るくなります。しかし、好条件は夏に起きるため、赤緯や天候の関係でなかなか見る機会がありません。
私が見たのは2010年のみで、拡散したコマの彗星として目撃したようです。あまり記憶にはありません。当時の観測から推定した標準等級はH20=7.4でした。この彗星の直後には、103P/ハートレー彗星が観測の好機を迎えたようです。
2015年の回帰は条件が悪く、年末に11等でかろうじて見れるかどうか。2021年の回帰は太陽離角が小さく最悪の条件ですが、2026年の回帰は近日点通過時に地球最接近を迎えるため、衝の位置で8等級に達するかもしれません。
ごく淡く存在も怪しい。
観測スケッチを放っておいたせいか、光度の検討も行わなかったようです。彗星のスケッチ位置が、計算値と微妙に異なっているように思えます(2015年7月4日記)。
2010年10月10日23時50分(TZ=+9)の小数表記:10.61806UT = 10.61883TT (ΔT=67.0s)
r=1.736au Δ=0.788au
α=1h21.8m δ=-20°12'(2000.0)
α=1h22.3m δ=-20°08'(視位置)
高度 alt=33.9°/方位角 A=180.5°(南)
太陽離角 Elong◉=152.7°
位相角 β=15.3°
太陽の方向角 =169.7° 太陽の反対方向(尾の方向)=349.7°(2000.0)
天文薄明始=11日4時20分 太陽高度 alt◉=-60.4°
天頂方向角 V=0.5°(北から東回り) / V+180=180.5°(天頂が下の画像は、この数値を反時計回転で北を上にできます)
※月は地平線下。月齢☽=2.84 月離角 Elong☽= 127°(地心) 月高度 alt☽=-59.5°軌道の元期:20100723 (観測日は元期から79.6日経過)
2'のコマ実直径 = 6.9万km(月軌道円の0.1倍)
参考:彗星の位置における1秒角の大きさ=571km