C/2018 N2 (ASASSN) アサシン彗星

q=3auの彗星。

超新星や新星を発見しているASAS-SNによって発見された彗星です。彗星としては微光で近日点通過の2019年末でも11等以下でしたが、近日点距離が3au以上あり、彗星自体は大型です。2019年9月には、260P/マクノート彗星に見かけ上の大接近をし、尾を伸ばした2つの彗星が並ぶ写真が多数ネット上にも公開されました。眼視的に見える彗星が大接近するのは珍しいことです。

2018N2mag.png

遠方を移動する彗星のため、長期間に渡って一定の光度を保っていますが、私が見たのは近日点通過の直前までで、それ以降は西の空に低くなったため見ることは出来なくなってしまいました。2020年4月現在も14等程度の光度を保っていて、あと数年は観測できそうです。

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観測記録一覧

2018N2_001+0260P-2019_001-editPosi-30-0.7t.jpg

  • 2018N2_001+0260P-2019_001.jpg
  • 06.78UT m1=12.0, DC=4, dia=1' (20.3cmシュミットカセグレン 100倍)

2彗星が同視野に入るらしいので、低倍率で無理やり描いてみた。20cm62倍では2つとも極めて微かで微星状。意識しないとわからないので、"同時に"見ることは厳しい。C/2018 N2は微星状。100倍以上でもかすか。存在がわかるのみ。260Pもかすかだが、N2より見やすい。微星状でごく小さいコマ。2つとも似ていて小さく集光がある。時間がなく十分な観測ができなかった。

(追記)2彗星C/2018 N2アサシン彗星と260P/マクノート彗星が同じ視野に見えています。記事の都合上アサシン彗星カテゴリに入っていますが、2彗星は同等です。眼視的に見られる光度の彗星が同じ視野に入るのは、私にとっては34年間彗星を見ていて(おそらく)初めてです。どちらも20cmの限界に近い超微光なのが残念です。

2018N2_002+0260P-2019_002-editPosi-20-0.7t.jpg

  • 2018N2_002+0260P-2019_002.jpg
  • 260P 07.73UT m1=12.2, DC=5, dia=1.5' (20.3cmシュミットカセグレン 100倍)
  • C/2018 N2 07.73UT m1=12.2, DC=4-5, dia=1.5' (20.3cmシュミットカセグレン 100倍)

幸い、2日続けて晴天となった。昨日より良く晴れている。2彗星は約10'まで接近。昨日は(同視野に入っても)別々に意識しないと見えなかったが、今日は倍率を上げても視野に入るので、名目共に2彗星同時観測が出来た。B法でぼかすと、2彗星ともほぼ同じ明るさ。260Pの方が集光があるためか、わずかに見やすい。写真で見るような長い尾はわからない。スケッチする間にも彗星の移動が速く、260Pは12等星に接近していった。

(追記)同じような光度、大きさの2彗星ですが、N2は260Pより4倍も遠くにあります。眼視光度に達した全く関係のない2つの彗星が、望遠鏡の狭い視野内に見えることは稀です(私、個人的にはたぶん初めてです)。

ブログシステムの関係上、260P/NcNaught マクノート彗星カテゴリに入っていますが、記事(観測)はC/2018 N2 (ASASSN) アサシン彗星と同等です。

2018N2_003-editPosi-25-0.8.jpg

  • 2018N2_003.jpg
  • 04.66UT m1=11.6, DC=5, dia=1.3' (20.3cmシュミットカセグレン 133倍)

260P同様、小さくよく集光しているがこの方がやや大きく明るいかもしれない。やはり形状はわからず(尾は見えず)ほぼ円形。視野内は輝星が多く260Pの時以上ににぎやか。ほとんど天頂にあるため、短時間で自動導入の方向がみるみる変わっていった。