52P/Harrington-Abell ハリントン・エイベル彗星

概要。

「ハリントン・アベル」「エーベル」とも。本来は微光の短周期彗星で、小口径での観測対象とはなり得ませんが、1999年の回帰ではバーストを起こして明るく観測されました。その後2006年、2014年に回帰しましたが、いずれも14等以下で観測されています。

1999年の回帰は、前年の夏頃にバーストを起こし何らかの方法で(まだネットに繋げる環境ではなかったので)、その情報を知ったのだと思います。試しに8センチの屈折で向けると、小さい姿を見ることが出来ました。当時はのちに290PとなるP/1998 U3などの微光彗星も同時に見えていました。終始小さく暗い姿でしたが、冬の透明度に助けられました。標準等級はH(10)=9.5、H(20)=7.0程度でした。

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観測記録一覧

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  • 24.78UT m1=11.7, DC=5, dia=1' (8.0cm屈折 101x)

46倍では明瞭にはわからず、73倍以上でわかってくる。といってもごくかすかである。101倍で12等ぐらいの微星とそれを取り巻く微光星雲がなんとなくわかる。73倍でも存在はわかるが単なる重星かも。形状はわからず。光度は11.6~11.8等ぐらい?P/Jagerや2419が明るく感じる。高度が少し下がっただけでだいぶ見にくくなった。

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  • 11.68UT m1=11.6, DC=5, dia=1' (8.0cm屈折 46x)

前日は星と重なっていたのか、今日は割りと良く見える。といっても46倍ではやや微星と紛らわしい。73倍で見やすい。ずいぶん集光があるように思えるが、コマの輝度が低い。尾があるように見えた?光度はもう少し低いかも。

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  • 17.70UT m1=11.6, DC=6, dia=1' (8.0cm屈折 73x)

わずかに集光が劣るのでダメかと思ったがそうでもない。小さくよく集光し、核らしいものがある。ただし、微星(スケッチには描けない)が多くそのひとつの可能性もある。光度はP/1998 U3とあまり変わらないような気もする。11.2~11.3等?

(2015年5月3日付記)彗星の位置を再調査すると、ちょうど彗星の位置に12.85等の微光星があった模様。コメントにあるように微星のために実際より光度や集光度を高めに見積もっていたようです。当時の測定値11.3等を合成等級とすると、彗星光度は11.6等程度と思われます。

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  • 13.63UT m1=11.5:, DC=4, dia=1' (8.0cm屈折 73x)

どうも思うように見えない。1の微星かとは思うが、あまりにも微かすぎ。11.5~12.0等。もしかすると星と重なっているのかも。P/1998 U3も星と重なった。

(2015年5月3日付記)存在に不安があったのでスケッチ番号も枝番にしていました。星図ソフトで再検証すると、スケッチした位置に確かに彗星が存在しており、彗星を見ていたと思われます(当時は正確な星図は持っていなかった)。