C/2014 E2 (Jacques) ジャック彗星

まとめ。

春先に発見された彗星。夕方の空で明るくなっているという情報を元に探したが、なかなかとらえることが出来ず3度目にしてようやく拡散した微光の姿を捉えた。しかしどう見ても10等級以下で夕空の光害の元では非常に厳しかった。

しかし、近日点を通過後は予想を超える増光を見せ、地球に接近したこともあり6等級の肉眼彗星として明け方の東の空に見えた。双眼鏡でも見ることは出来たが、この夏は天候が非常に悪く、思うような観測は出来なかった。増光が激しかったせいか減光も素早く、わずか1ヶ月で6等級から9等級まで減光してしまった。最初に見え始めた頃のような拡散した姿に戻り、そのまま消え去ってしまった。

10個の光度観測(2個の双眼鏡観測を含む)から得られた光度式は、m1=7.1 + 5 logΔ + 15.4 log r。ただし、近日点の頃の増光は鈍く、実際には5等台には達したという報告はないようだ。

2014E2.jpg

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観測記録一覧

2014E2_001-editPosi.jpg

04.48UT m1=11.6, DC=4, dia=1', (20.3T10 100x)

3月中旬以来、3度目の挑戦にしてようやく確認出来た。期待していたよりはかなり淡く(透明度の悪かった)前2回で見れなかったのも納得。最初は206倍で確認してから見やすくなった。小さく集光があり、次第に12等星に接近していく様子はわかった。21時過ぎに再観測を試みたが、高度が下がったせいかかなり淡くほとんどわからなかった。

月が明るくなってきたが、透明度が良好だったためなんとか見ることが出来た。2日前と同様中央集光部のみが辛うじて淡く見えていたが、注意するとその外側にもごく淡いコマが拡がっているよう。2日前より1等級近く明るく見積もっているのはそのため。

2014E2_002.png

約1ヶ月ぶりの観測。前日も見たが、低透明度のためスケッチは断念。今日も透明度は低いが今後の天候を考えてスケッチを試みた。

62倍でも辛うじてわかる。100倍が最も見やすく集光がわかる。133倍ではかえって見にくい。ごく微かで淡い。ただし肉眼では2、3等星までしか見えない空。光度は10.2~10.4等星と9.4等星の中間。空さえ良ければ見やすいかもしれない。

2014E2_003.png 

2.46UT m1=9.8:, DC=3-4', dia=2' (20.3T10 x62)

望遠鏡を設置したままにして置いたので、前日に引き続き観測。前日は光度が8~9等で定まらなかったので(8.2等星とも近い、と感じた)注意深く光度観測。8.9等と9.4等と比較し、9.37等星よりは確実に明るいが8.88等星よりは暗い?ただ、光度のわりには淡い状況は変わらない。月明がひどくなってきた。

2014E2_005.png

10.465UT m1=9.1, DC=3', dia=3' (20.3T10 x62)

2014E2_006-editPosi.jpg

28.76UT m1=6.7, DC=5, dia=6' (5.0B7x)

夕方に淡い姿を見送って以来2ヶ月ぶり、明け方のぎょしゃ座に姿を現してきた。よく集光した丸いコマが印象的。よく集光して、成長した。尾は微かで自信がない。核は166倍で12等級以下の微星状。

双眼鏡5センチ7倍では6.5~7.0等級程度。7等星よりは明るい。

2014E2_009-editPosi.jpg

2014-09-28.46UT m1=10.8, DC=2, dia=2', (20.3T10 100x)

前観測から2週間。さらに減光し、淡くなってしまった。62倍で辛うじてわかる程度。100倍でも見える。ただ、目が慣れると見やすくはなった。わずかながら集光はある。空の透明度が、3等星が見える程度の悪さなのでそのせいもあるかも。

透明度、天候次第では最終観測になるかも。