C/2015 ER61 (PanSTARRS) パンスターズ彗星

明け方の低空でバーストを起こした彗星

2015年3月に20等級の小惑星として発見された彗星です。2016年5月9日頃にq=1.04auの近日点に達し、その少し前の4月にバーストを起こし9等級から7等級に急増光しました。

私が観測したのはこの4月のバーストの前後で、低空の靄がかった空でバースト前は9等級で辛うじて見えていた(スケッチすら取れなかった)ものが、1週間後には、コマの大きな7等星として突如視野に入ってきました。この直前にバーストを起こしていたC/2017 E4 ラヴジョイ彗星も同じ空に見えていました。

残念ながら2017年の夏季は例年になく天候が悪く、1ヶ月に1回しか見ることが出来ませんでしたが、コマの大きな集光のある彗星として楽しませてくれました。しかし、まだ光度を保っていた6月の観測が最後になり、7月以降の急減光する様子は観察できませんでした。写真では細い尾が写り、今(2017年11月)も非常に長い尾が伸びています。光度は、バーストのため正確な光度式は求められませんが、標準等級は6等程度だったようです。

2015ER61mag.png

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観測記録一覧

2015ER61_003-editPosi.jpg

  • 05.78UT m1=7.6, DC=5, dia=4' (20.3cmSCT 36x)

方角的に見えない可能性があったので、期待していなかったが(星図も用意してなかった)、ギリギリで家の陰から姿を現してくれた。一見して集光が強く薄明の中でも見やすい。コマも大きい。光度は視野外の星1~2個としか比較できなかった。少し視野をずらせば(7)Iris(10.3等)が見えていたようだ。惜しいことをした。

このER61の前に71Pを探したがわからず。

2015ER61_004-editPosi.jpg

  • 02.76UT m1=8.7, DC=5, dia=3' (20.3cmSCT 62x)

彗星の赤緯が上がり、隣家の陰に隠れる位置になってしまった。幸い、高度は上がるようになったので薄明後遅くになってなんとか見えた。やや見にくいが、集光の強い姿はそのまま。やや光度は暗くなった?8.4等星より暗い印象。一瞬尾があった気がするが不明。