(3200) Phaethon 小惑星ファエトン

ふたご座流星群の母天体

1983年に発見されたアポロ型小惑星で、発見時は太陽に最も接近する小惑星でした。発見時は仮符号1983 TBで呼ばれていました。「ふたご座流星群」の母天体としても有名で、かつて彗星だった天体が枯れ果て、今の小惑星の姿になったのだろうと思われていました。

ところが最近の観測では、今でも近日点通過の頃には増光しており、わずかな彗星活動が残っていることがわかってきています。彗星符号は与えられていませんが、このサイトでは特例として彗星(スケッチ)として扱いました。

この小惑星の存在を知ったのは1980年代・・・小学生の頃でしたが、実視で見る日が来るとは思っていませんでした。

2017年12月には、発見以来もっとも地球に接近し、10等まで明るくなりました。恒星状の変化に乏しい小惑星なので、1度だけ見て終わりにするつもりでしたが、移動が早く光度変化も大きかったため、結局、太陽の光芒に消えるまで10日間追い続けました。おかげで、位相による光度変化も確認することができました。

3200mag.png

標準等級は、G=0.15としてH=14.49とすると、極めてよく一致していました。12月17日の光度だけが明るく見積もりすぎていたのは、比較星がよくなかったためかも知れません。この日は光度がよく定まらなかったとの主旨のコメントをしています。

投稿日:


観測記録一覧

(3200)_001-editPosi-time-C4px-25-1.0.jpg

  • 09.65UT m1=11.6, DC=9, dia=0' (20.3cmSCT 100x)

最初の星図の位置がずれて31'も違う場所を探していた。既に11等に達し、すぐに見つかる。数分で移動がわかり、NEOとしても面白い。描いている間にスケッチの中心から小惑星が外れてしまった。比較星をたくさん取ってみたら、光度は11.4等~11.8等の間だった。

(補足)1983年に発見された小惑星です。「ふたご座流星群」の母天体として知られ、枯れ果てた彗星が小惑星として発見されたのだろうと思われていました。ところが最近の観測では今でも近日点通過の頃には増光しており、わずかな彗星活動が残っているようです。このサイトでは特例として彗星(スケッチ)として扱いました。この小惑星の存在を知ったのは1980年代・小学生の頃でしたが、実視で見る日が来るとは思っていませんでした。

(3200)_004-editPosi-30-1.0.jpg

  • 17.53UT m1=10.7, DC=9, dia=-' (20.3cmSCT 100x)

まだ明るい。移動が速すぎるためあらかじめ先回りしてスケッチした。見始めた頃より2倍程度の移動か。光度は近くの10.7等星(TYC1728-1076)と区別がつかず、同じ10.7等としたが、21:44頃にこの星に接近した直後から暗く感じだした(10.9~11.0)。ただ、別の星(TYC1728-34)10.7等ともほぼおなじ。

(3200)_006-editPosi-30-1.0.jpg

  • 19.42UT m1=12.5, DC=9, dia=-' (20.3cmSCT 167x)

空の透明度が良好でベランダに望遠鏡を置きっぱなしにしていたので、一応見てみた。意外とあっさり見える。12等以下で20cm100倍ではすぐにはわからず、167倍以上でないと厳しい。光度比較自体が厳しい。12.4等よりはやや暗く、13.0等以上。12.5~12.7等か。10.6等星(TYC571-849)との接近は500倍で見る。19時15分15秒頃に最接近(水平)。星図では左側を通過するはずだったが、右側を通過。ぼやけた星像2個分。今度こそ見納め。