2020年1月9日朝、徳島県の岩本雅之氏によって12.8等級で発見された新彗星です。発見直後に国立天文台に報告され、PCCP(The Possible Comet Confirmation Page)にもIF033として情報が掲載されたため、確定前に多くの観測者によって捜索されました。
ところが、発見観測から得られたモーションが不正確だったこともあり、誰も観測に成功しないまま数日が過ぎ、天文界隈では、もはや「発見自体が幻なのでは」と絶望的な雰囲気に包まれました。
結局、4日後の13日になってクリミアのボリソフ(Gennady Borisov)によって独立発見されたため、新彗星として確定しました。近日点を通過した直後の発見でした。
当初は微光彗星でしたが、太陽に近い低空から北天に高速で移動し、拡散しながらも大きなコマの彗星として見ることが出来ました。2月下旬には0.91auまで地球に接近しました。
地球接近後は、さらに拡散して急速に減光してしまい、私の観測数は2個に終わりました。