C/2020 A2 (Iwamoto) 岩本彗星

一時は行方不明になった新彗星。

2020年1月9日朝、徳島県の岩本雅之氏によって12.8等級で発見された新彗星です。発見直後に国立天文台に報告され、PCCP(The Possible Comet Confirmation Page)にもIF033として情報が掲載されたため、確定前に多くの観測者によって捜索されました。

ところが、発見観測から得られたモーションが不正確だったこともあり、誰も観測に成功しないまま数日が過ぎ、天文界隈では、もはや「発見自体が幻なのでは」と絶望的な雰囲気に包まれました。

結局、4日後の13日になってクリミアのボリソフ(Gennady Borisov)によって独立発見されたため、新彗星として確定しました。近日点を通過した直後の発見でした。

当初は微光彗星でしたが、太陽に近い低空から北天に高速で移動し、拡散しながらも大きなコマの彗星として見ることが出来ました。2月下旬には0.91auまで地球に接近しました。

2020A2.png

地球接近後は、さらに拡散して急速に減光してしまい、私の観測数は2個に終わりました。

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観測記録一覧

2020A2_001-editPosi-30-07-220.jpg

  • 2020A2_001.jpg
  • 01.84UT m1=10.9, DC=3-4, dia=2.0' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

意外とあっさり見えた(Guide9.1=MPECによる位置と3'~4'ほどずれている)。20cm62倍で集光の弱い光斑。微星のようにも見える。100倍でよりはっきりしてくる。167倍でも薄れず集光がわかる。光度は近くの11.9等星よりは確実に明るい。10.6等星よりやや暗く、11.2等星より明るい。10.9~11.0等か。約30分間での移動も確認。速い。