C/2016 R2 (PanSTARRS) パンスターズ彗星

淡く、複雑な尾が捉えられた彗星。

2017年の冬から2018年にかけて、深夜~夕空に見られた彗星です。当初は微光で、あまり注目していませんでしたが、2017年の10~11月頃に明るめの観測報告が入るようになりました。写真でも集光の強い姿が紹介されたため、私も挑戦してみたところ、眼視でも集光した姿が見つかりました。

当初はごく微光でしたが、急速にコマが拡大し、さらに写真では複雑に入り組んだ見事の尾が、ネットでも公開されるようになりました。COBSでは9等台の報告もありましたが、私の印象では、非常に淡く11等程度のかすかな姿に終始しました。COBSの報告値も2等級程度のばらつきがあります。

2016R2mag.png

地球から遠ざかり、夕空に低くなったため(5月の近日点通過を前にして)、私の観測は2月が最後でした。

この(2018年)秋以降、太陽から離れ北上するため、もしかしたらもう1回チャンスがあるかも知れませんが、r=3auを超えているため、眼視では厳しいでしょう。

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観測記録一覧

2016R2_001-editPosi.jpg

  • 15.80UT m1=12.8, DC=5, dia=1.0' (20.3cmSCT 133x)

20cm62倍でかすかだが、わりとあっさり見えた。133倍で最も見やすい。集光が強く微星状に近いが、わずかにコマを伴っている。微光のため時折見失う。光度は12.6~13.0等か。ただ、スケッチの位置が彗星の位置と僅かにずれているのが気がかり。

(補足)スケッチした彗星の位置には別の13等星があり、彗星自体はそれよりわずかに西にズレていました。とはいえその微星は13.7等と、20cmの限界近い淡さで彗星との見誤りは考えにくいです(19日未明の再観測参照)。しかし彗星も微光だったため、スケッチの際に位置を取り違えてしまったかもしれません。