4Kディスプレイを購入してみた。

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2年間使っていたPCディスプレイが故障してしまったので、新しいディスプレイを購入することにしました。そこで希望していたのが4Kディスプレイ。2年前にPC一式を一新した際にも、4Kのものを探したのですが、その時は世の中に4Kディスプレイ自体が出回っていなかったので断念していました。

5年前に携帯をiPhoneにして以来、Retina画面の文字の繊細さに感動する一方で、PCディスプレイのフォントの汚さが気になり、テレビよりもPCモニタこそ先に4Kにすべきだろうと思っていたのですが、最近になって私のこの願いに、ようやく世の中が追いついてくれました。

小さいテーブルで使用するため24インチ以下で探しましたが、残念ながらまだ選択肢自体が3つぐらいしかありません。ネット情報だけでは不安なので(商品レビューには明らかな間違いも多数あります)、実際に先日秋葉原まで行って実機を確認したかったのですが、どのお店でも4Kディスプレイには熱心ではないらしく、(24インチクラスでは)Dell以外は見かけることすらありませんでした。展示してあってもPC側の出力が2Kのままだったりする店もあり「本当に売る気があるのか」と思うこともしばしばでした。

で、結局購入したのはDell ディスプレイ モニター P2415Q」。画面サイズは23.8インチ。事実上の一択です。約1年前に登場した機種らしく、前身のP2414Qと比較すると、4K/60Hz対応、HDCP2.2対応など若干の進歩があるようです。

一方、購入前に心配だったのはPCとの相性です。幸い私のPCは2年前に購入したもので、出力にDisplayPortが装備されています。購入した当時は何も知らず、(ライセンスの高い)HDMIの代わりに取り付けてお茶を濁しているのだろうと軽く考えていましたが、4K/60Hz出力にはDisplayPortが必須らしく、今になってマウスコンピューターに感謝です。また、検索して調べると、今のCPUはギリギリ4K表示に対応しているようでした。

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商品到着。5万円ほどしましたが、この価格は1年前の販売開始時からほとんど変わっていないようです。さっそくDisplayPortケーブルを繋いでみたところ、無事表示できました。

IMG_6565-2.jpg 背景の散らかりは気にしないこと。

まずはDell製のディスプレイとしての簡単なレビュー。

  • 少々安っぽい。細かく言うと、プラスチック成形が甘いのか液晶画面の表面とベゼルの間に1ミリ程度の隙間が空いていてホコリが入りやすくなっています。今までのモニタではなかったことです。この個体だけなのか、製品共通なのかは知りません。
  • 初期不良で1回交換。液晶画面内に2,3ミリの目立つコンタミ(ホコリ)が入り込んでいたので交換してもらいました。もしかすると上記の隙間から入り込んだのかも知れません。。
  • 色はそこそこ鮮やかで見やすい。IPS液晶ということもあり、横から見てもそんなに色合いが損なわれません。とはいえ、劇的に鮮やかという感じでもありません。VIEW SONICの4Kディスプレイの方が鮮やかなのかも知れません(未確認)が、海外のレビューでHDCP2.2非対応と記載されていました(これも未確認)。
  • なんと言っても文字や画像がとても精細。先にマイナス面から書いてしまいましたが、この美しさを知ってしまうと以前の92dpiのディスプレイには戻れません。テキストは紙の印刷文字を見ているように鮮やかでフォントもかなり滑らかです。
  • DisplayPort特有の問題らしいのですが、PCがスリープすると接続が切れ、復帰時にモニタが点かないことが多く、再起動や再接続が必要になることがよくあります。また、PCの電源を切った後で、再投入した際に、画面設定が崩れることがあります。具体的には、PC出力が2Kになる等するため、2回に1回程度は再起動が必要です(マルチモニタが原因と思われます)。この辺りの不具合はAmazonなどのレビューに多数報告があり、接続をHDMIにすると起きないようです。また、他社のディスプレイのDisplayPortではこの問題を回避しているとの報告もあります。

そして、4Kディスプレイとしての感想など。

最初に繋いだ時、OSはWindows7でしたが、4Kに対応していないため、表示は出来てもアプリによって文字などの大きさがバラバラでした。これは(4K以上に正式対応している)Windows10にアップデートすることで、ある程度解消できました。Windowsは8以上でないと高解像度ディスプレイに正式対応していないようです。

解像度を200%(フルHD相当)にするとWebブラウザでの文字のぼやけもありません。

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さっそくYoutubeで4K動画を再生してみたところ、画面はキレイですがCPUの能力を超えてるせいか動きはカクカクです。いくらディスプレイが60Hz対応でも、こればかりはPC本体の性能に依るようです。これは別途グラフィックボードを購入すれば解決できそうです。

4Kディスプレイ特有の、最大の不具合(?)としては、アプリによってはモニタの解像度を200%にしても大きく表示されないものがある、ということがあげられます。ほとんどのアプリは解像度を200%にすれば、拡大表示してくれますが、中にはまったく拡大しないものもあります。これは、画像や動画などを扱うアプリに多いようで、Photoshop Elements 8やPower DVD 10などが該当しました。小さいアイコンにマウスカーソルを当てるのは一苦労です(※最近のPhotoshopは高解像度モニタに対応しているとの情報もあります)。一方で、iTunesのように拡大は出来るものの、テキストのドットまで拡大され、せっかくの高解像度が活かされないアプリも多くあるようです。

試しにブラウザでCOBSのサイトを表示させ、スクリーンショットを撮ってみました。

IMG_6588-1.jpg IMG_6589-1.jpg 比較画像。

20160330_232810.png デスクトップをスクショ。

4KモニタでWebページを見て回ると、テキストはきれいなのですが、画像は2倍に拡大されてしまうので少々ぼけたようになります。これはWeb制作者の方が、imgタグで画像を実寸の2分の1サイズに縮小表示すれば解決します(逆のいい方をすれば、2倍のサイズの画像を貼り付ける)。まだそのようなページは少ないのですが、検索するとRetinaディスプレイ向けにそのような指南をしているサイトも見かけます。

このサイトでも、3月15日のカタリナ彗星のスケッチで、高解像度対応の画像を貼り付けてみました。また、このページの画像も同様です。

「なんでPCの4Kディスプレイが少ないのだ!」と思っていましたが、実際に導入してみると、4Kディスプレイが普及するためには、PCの性能向上だけでなく、アプリ側での対応など、まだまだ乗り越えなければならない課題が多そうです。

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