周期彗星番号が1000Pに達するのは2032年?

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ご存じのように、軌道が確定した周期彗星には通し番号が付けられます。1Pはハレー彗星、2Pはエンケ彗星・・と続いて、2015年の現在では300Pを超えてます。この命名法に移行したのは1995年ですが、それ以前の彗星についても、整合性のために、発見事情を考慮して過去に遡って命名されています。

1995年当時、周期彗星番号は100を少し超えた程度で、例えば1995年9月に発見されたデ・ヴィコ彗星は122Pでした。200Pはまだまだ先の話で、1000Pを超えることなど自分の生きている間にはないだろうと思っていました。現にICQフォーマットは3桁にしか対応していません。

ところが、2008年に200Pに達し、2014年には300Pを超えました。最初の100Pに達するまでに、ハレー彗星の検出から数えて200年以上かかったのに、100P→200Pまでにかかった年数は(1991年から2008年までの)17年、200P→300Pまでではわずか8年で、加速度的に短くなっています。グラフにすると、以下のような感じです。彗星符号から検出年を参照してプロットしただけの雑なグラフですが、大まかな傾向は読み取れると思います。

20140102-1.gif

特に2000年以降は加速度的に登録数が増えていることがわかります。指数関数的に増えているので、縦軸を対数にしてみたらこんな感じ。

20150102-2.gif

少し直線的になりました。それでも、1990年以降は勢いが増しているっぽいことがわかります。そこで、直線上に乗っている2004年以降のみを抽出して近似式を求めると、以下のようになりました。

20150102-3.gif

今のペースで登録数が増え続けると、2018年前後に400P、2022年頃に500P、そして2032年頃には1000Pに達することがわかります。もちろん、過去10年という短期間での傾向を外挿しただけですので、増加数がこのまま続く保証は全くありません。微光の彗星はすぐに燃料が尽きて長期間存在出来ないため、その数に上限があるかも知れませんし、逆に観測技術の飛躍的な向上によってさらに激増するかも知れません。

しかしながら、1995年には誰もが想像しなかった10000番目の周期彗星が2070年代に登場する可能性をこのグラフは示しています。

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