台風一過の晴天。20cm36倍でも微星状の光斑として見える。62~100倍で拡散しているのがわかる。集光があり近くの12等星のような見え方。核は167倍でわからないが、シーイングが悪いせいかも。光度は9.86等星よりわずかに暗く10.25等星と同じかわずかに明るい。
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2006年開設、2013年5月再建。自分が見た天文現象(主に眼視&スケッチ)をただひたすらあげていく感じで。彗星とか、小惑星による恒星食とかに興味があるようです。昔のスケッチあげたり懐古趣味にも浸りたいかと。更新情報は@akwr2でも。
2025年3月19日23時過ぎに起きた、小惑星(306)Unitasによる9.8等星TYC 0852−01122−1の食です。
この現象の予報は天文ガイド(2025年3月号)の記事で知りましたが、恒星が明るいとはいえ冬晴れの少ない3月の現象なのであまり期待してはいませんでした。ところが、当日は見事な晴天で透明度も良く、絶好の観測日和。仕事が遅い時間に終わるため、帰宅から現象まで30分の余裕もなくかなり慌ただしくベランダに望遠鏡の据付。高度が高いために、星が屋根にかかるのではと心配しましたが、なんとかベランダから見えて助かりました(前日は曇ってシミュレーションできなかった)。
実に3年ぶりの観測でしたが、幸いカンは衰えてないようで(と、思いたい)、現象直前に手動で導入、追尾開始(自動追尾装置が壊れてるので)。ほぼ予報通りに、一瞬光度のゆらぎがあったかと思うと星は消えていきました。減光中、12等の小惑星の明かりはわからず。出現は一瞬でした。3年ぶりの観測で、坂戸から川越に転居して以来、初の当地での減光観測ともなりました。
この現象では多くの箇所で減光・通過が観測されました。小惑星の真ん中が通ったはずの当地ではほぼ予報通りでしたが、南半分の地点ではモデルに反してことごとく通過し、離れた地点でごく短時間の減光が観測されたようです。衛星が回っているのかもしれません。
以下、記事の続きでメール報告文(一部抜粋・編集)
9日から探し始めて3日目にしてやっと捉えた。20cm36倍でオレンジの背景でシーイングで潰れてほとんど核だけのよく輝く頭部と、すっと尾が伸びる様子がわかる。光度は水星(-0.3等)よりは1等程度暗く感じるが大気減光が-1.9等ほどあるのでマイナス等級には達していそう。5cm7倍双眼鏡でも小さい尾がよく分かる。6:20に見え始め、6:42まで追跡出来た。
前日に星の位置(からす座)で方向を確認していたのが好奏したようだ。
(追記)スケッチでは視野に見えていた電線や建物の屋根を省略していますが、実際には電線の隙間から覗き見るような感覚でした。
近日点後も夕空で1週間探し続けましたが、見つけることは出来ず、これが唯一の観測となってしまいました。
だいぶ高度が下がり減光してきたが、まだ見える。ただ、シーイングが非常に悪く微星はかき消されてしまっている。光度は近くの9.8~10.1等星と同程度。集光はあるが核は(シーイングで潰れて)わからない。
23日にも見たが、薄明終了後で高度が下がったためか、かなりかすか。これで見納めかも。
星図の日付を間違ったため見つけられなかったが、位置を調べ直して一度見えてしまうと、大きいコマがよくわかる。拡散しているが集光はある。20cm62倍でもわかる。光度は11.15~11.38等星と同じかわずかに暗い。11.76等星よりは明るい。
(補足)2024年11月初めにバーストを起こしたあと、11月下旬に再バーストを起こしたようです。私にとっては2011年以来3年ぶりの観測。
3週間ぶり。減光を覚悟していたが意外と見やすい。20cm36倍でもよく集光した姿がわかる。100倍では輝きもわかる。尾はかすかで存在のみ。光度は8.7~8.9等星とほぼ同じ。9.3等星より明るい。
20cm36倍でコマ・核のみがわかるが、62倍では尾が見える。バックの明るさで尾が消えてしまう。まだ集光は強く62~100倍では輝くように見える。尾はうすく伸びている。光度は隣の7.9等星で見積もりにくいが、それとほぼ等光かやや明るい。
昨日は5cm双眼鏡で尾までよくわかったが、自宅からでは尾はおろか、存在すらかろうじて分かるほど淡い。20cm36倍で輝くほどではないが、よく集光したコマと淡くうっすら伸びる尾がわかる。62~100倍で核が輝きをもってくるが167倍では衰えてしまう。尾はごく淡いが長くのびている。光度は近くの6.7~8等星と同じ。