9P/Tempel 1彗星による9等星1UT 534-174490の食(通過?)

Occult Watcherで予報が紹介されていた、9P/テンペル第1彗星による恒星食です。予報では7等星となっていましたが、実際に星図ソフトで確認すると9等しかありません。しかし、明るいことには変わりないので、とりあえず見てみることにしました。

予報時刻は2016年2月23日23時07分48秒±8.1分で、誤差が大きい。彗星光度が(恒星と同じ)7.6等となっているのは何かの間違い?予報に疑問はありますが、掩蔽帯は日本のど真ん中を通り、全国が誤差範囲内にあります。要監視時間が長く、電話の117時報を流すと途中で切れる可能性があるので、iPhoneに5分ちょうどの曲を集めたプレイリストを30分ぶん作り、それを聞きながら観測することにしました。

当日の夜は、2等星がやっとというほど透明度が悪く、しかも薄曇り。満月とその左下に木星が見える中での観測でした。準備に手間取り、前後15分程度見るつもりが、23時00分ちょうど(8分前)からの観測になってしまいました。望遠鏡では、対象星自体は見やすく、薄雲の通過で時折対象星が見えにくくなったものの、食のような減光は認められませんでした。逆に見えていたら大変なことです。彗星核による恒星食はほとんど前例がないので。

Occult Watcherで予報されていた、9P/Tempel彗星による9等星1UT 534-174490の食の観測を試みました。
残念ながら透明度が悪く薄雲が広がる条件でしたが、一部の時間帯を除いては監視することができました。
対象星は明瞭でしたが、対象星以外の星は視野内には見えませんでした。
監視時間内では、1秒以上に及ぶ食といえるような減光はありませんでした。

満月過ぎの月と木星が薄雲を通して並んでいるところが見えました。

観測地と、観測地の経緯度と標高
   埼玉県坂戸市内
観測開始と観測終了の時刻
    2016年2月23日23時00分00秒~23時20分00秒(JST)
減光観測の有無
  監視時間中は減光無し。ただし、23時09分45秒ごろから10分20秒ごろまでは雲により観測できず。
時刻保持の方法
  携帯電話の時刻表示とストップウォッチによる。
観測方法・機材
    ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾)
  +PL12mm(167倍・視野18分)による眼視観測
天候・観測条件
  薄曇り(雲量9/10)、透明度1/5、シンチレーション2/5、月明あり。

[JOIN:16374] 9P/Tempel彗星による9等星の食 2016/2/24/ 0:03

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