土星は他の天体観測をやっている時でも、つい目を向けてしまうほど面白い天体ですが、今まで私はほとんどスケッチをしたことがありませんでした(30年の天文人生で10枚にも満たないでしょう)。というのも、あの環を描くのが面倒で、ついつい敬遠してしまうからです。
以前は「天体観測野帖」という便利な冊子があって、そこに土星スケッチ用紙のテンプレートも掲載されていたので、コピーして使用していたこともあります。
今はネットも普及して便利な時代になったのだから、誰かそのようなテンプレートを公開してるのでは、と期待して検索したものの、そのようなサイトは見つかりません(海外ではあるのかも知れませんが)。土星スケッチを画像検索しても、フリーハンドで描いている人が多いようです。
ならば、ということで自分用に土星スケッチ用のジェネレータを作ってみました。今はHTMLの規格も進んでいてcanvas要素とJavaScriptの組み合わせで図形を自由に描くことができます。以下のような感じです。
土星画像描画の指定
- 輪の傾き(De)=°(天文年鑑では「B」値)
下が北(天地逆)の画像を生成。正立画像なら正負を逆に。2015年5月28日現在は+24.3° - 印刷時の画像解像度:dpi
- 画像サイズ 横:mm /縦:mm
- 本体の直径(赤道):mm
- 本体の輪郭線の太さ:mm /色:
- 輪の輪郭線の太さ:mm/色:
- 輪の輪郭線の濃さ:A環(空隙)B環C環 →本体
- C環を描画/C環の透過率(本体の輪郭を描く=0、描かない=1)
- カッシーニの空隙の透過率:(空隙から見える本体を描画しない時は1)
- 画像の署名(右下): / 色: / サイズmm
基本的には、「環の傾き」を指定すれば「土星描画」をクリックしてすぐに生成出来ます。ここでは仮に現在の値である24.3°を入れています。Chrome、Firefox、IE、Operaの各最新版では表示出来ることを確認しました。
生成はすべてローカル上で行っているため、このHTMLをパソコン上に保存してブラウザで開けば、ネットに繋いでなくても利用出来ます。ただし、このページのシミュレーションはブログ上に無理やり構築して行っているため、うまく作動しない部分もありますので、以下のリンク先にHTMLファイルを置いておきました。使ってやっても良いという奇特な方はどうぞ。右クリックで保存するか、表示させたページを直接保存してください。著作権自体は放棄しませんが、自由に利用していただいて構いません。
- 土星画像ジェネレーター
- 土星スケッチ用紙生成フォーム (使用例)
今回は、手抜きをして環の傾きを手入力しましたが、土星の位置情報を組み込めば、日付を指定するだけで環の傾きだけでなく、中央経度のなどの計算も自動で行うことは可能です。暇な時にやってみたいと思います。