小惑星(1456)Saldanhaによる TYC 0238-02251-1(10.9等)の食(減光)

当地で、(Occult Watcherによると)2015年3月13日1時44分35秒頃に12.9%の確率で予想されていた現象です。この現象では去年12月以来3ヶ月ぶりに減光を観測できました。

実は、数日前から体調を崩し、若干気が進まない観測でした。とはいえ、12%は無視出来ない確率です。当日前夜はベランダに望遠鏡を設置して早めに寝て(ベランダから見れなかったらスルーしていたかも)、現象20分前というギリギリの時間に目覚ましをセットしました。幸い無事に起きることができ、目的星もすぐに導入出来たため時間を余らせてしまうほどでした。

20センチ62倍では、対象星がやや微光だったのでPL12mmの167倍(最近購入したアイピース)まで上げてみると、ちょうど良い明るさで、視野の左上に等光の10等星が見え、監視には申し分ない環境が整いました。

減光してほしい反面、通過で終わって(整約の必要がないので)すぐに寝てしまいたい気分もありつつ、監視を開始し、現象時刻を迎えます。そして突然、恒星が瞬間的に消えてしまいました。右手を伸ばした先にあるストップウォッチのボタンを冷静に押します(床に録音中のiPhoneを置いていたので)。予報では3秒ほどでしたが、すぐに星の明るさが戻ってしまいました。1秒ぐらいでしょうか。小惑星の端を擦ったのかもしれない、と思いながら、観測終了まで監視を続けました。

望遠鏡は放置したまま部屋に戻って、ストップウォッチの表示を見ると継続時間は約1.7秒のようです(個人差を補正した結果では1.8秒)。個人差は0.3秒から0.7秒までのばらつきはあったものの、大体0.5秒(注視して0.4秒)に収まっていたので、潜入0.5秒、出現0.4秒、誤差±0.3秒としました(出現誤差は±0.1秒としたいところですが・・)。

このページを書いている時点では、まだ報告が集まっている段階で、どんな整約結果になるかはわかりませんが、当地では小惑星の北側が擦ったようです。以下報告文より抜粋。

観測地
   埼玉県坂戸市内
観測開始と観測終了の時刻
    2015年3月13日1時42分00秒~1時46分00秒(JST)
減光観測の有無
  明瞭な減光を確認(確実度5/5)
減光時刻
  減光開始 1時44分34.8秒(±0.3秒)
  減光終了 1時44分36.6秒(±0.3秒)
   個人差は、開始時刻に0.5秒、終了時刻に0.4秒を補正済み。
時刻保持の方法
  固定電話の117時報とストップウォッチによる。
観測方法・機材
    ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾)
  +PL12mm(167倍)による眼視観測
天候・観測条件
  快晴(雲量0/10)、透明度3/5、シンチレーション3/5。月明有り。

[JOIN:15648] 小惑星(1456)Saldanhaによる10等星の食(減光@坂戸)2015/03/13 2:20
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