1個前の記事にも少し触れていた現象。ほかの星表では対象星はさらに暗い11.7等級となっていたので、観測から外すことも考えていたが、4時間前には明るい小惑星と、その1分角程度離れた(思ったよりも明るい)11等星を確認していたので、いけるかもしれない、と思い観測を決意。
そして、1時。再び小惑星に向けてみると、2星はかなり接近しているものの、恒星の方がかなり暗い・・・不安がよぎる。数分おきにしばらく見ていると、2星が接近していくのがわかる。そして現象5分前の1時20分には分離出来なくなった。幸い、この小惑星とほぼ同じ光度の10等星が2つあるので、これらと1秒の時報おきに見比べれば、変化に気付くかもしれない。
そして、1時23分観測開始。しばらくは変化のない状態が続くものの、現象時刻が近づき117の時報から流れる24分30秒、40秒・・・わずかに暗い!?そう思ってストップウォッチを押す。そうしている間に時報は流れ、いつになったら戻るのか?と思って見続けるものの、一向に戻る気配がない。25分00秒の時報が流れ、「もしかしたらもう終わっているのかもしれない」と思い返し、諦めてストップウォッチを押す。
観測を終えた直後はそこそこ自信があったものの、片付けをして時間が経ってくると不安の方が増してくる。ほんとうに0.4等の減光を検出出来たのだろうか?結局メール報告まで30分ぐらいは悩んでしまった。
[JOIN:14802] (51)Nemausaによる11等星の食
JOIN:14798にも書きましたが、小惑星(51)NemausaによるUCAC4-482-025638(11.4等星)の食を観測しました。 減光等級0.4等での眼視観測でしたので、最初から採時は諦めて、 減光を検出出来るかという点のみに絞りました。 1時20分頃までは微光の対象星と明るい小惑星が接近する様子が見られました。 1時25分の直前になって、周囲のほぼ等光の10等星と見比べて、わずかに暗くなっていることに気付きました (ここでストップウォッチを押す)。減光する瞬間はわかりませんでした。 その後しばらくしても光度が戻ったのかどうか分からず、迷った末にもう一度ストップウォッチを押しました。 減光の検出自体まったく自信がありませんが、減光の検出であれば(当地で1時24分58秒の予報だったので) 少しだけ早く起きたのではないかと思います。 観測地 埼玉県坂戸市内 観測開始と観測終了の時刻 2014年1月2日1時23分00秒~1時26分00秒(JST) 減光観測の有無 減光あり?(不確実。確度0/5) 減光時刻 開始 1時24分48秒ごろ 終了 不明(1時25分07秒以前) 時刻保持の方法 固定電話(コードレス)の117時報とストップウォッチによる。 観測方法・機材 ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾) +SP9.7mm(206倍)による眼視観測 天候・観測条件 快晴(雲量0/10)、透明度4/5。シンチレーション2~3/5。[JOIN:14802] (2014/01/02 2:32送信)より抜粋。
追記。もともと精度が悪いと思っていたので0.1秒単位は無視していたが、今にして思えば、反応差(約1秒)は入れておくべきだった。さらに気付いてから押すまでの時間として2秒程度の遅れはあり得るので、1時24分45秒が報告すべき時刻だったかもしれない。また、当時は星像はぼけていたものの、光度のゆらぎが生じるようなシンチレーションはほとんど無かった。
その後の情報により、武蔵野市の北崎氏により減光が観測されたとのこと。自分の時刻よりさらに早い時刻で、観測地点を考えると(整約図はまだみてないが)やっぱり自分の観測時刻はかなりずれてるようだ。さすがに0.4等は厳しすぎたか。。
追記2。その後、北崎氏の減光観測はピクセルエラーによるもので、再測定の結果減光は起きていなかったとのこと。また、日立市での別の通過観測も対象星誤認による不成立となってしまった。
減光観測が単独になってしまったので、「不確実な減光観測(ノーカウント)」として処理していただくことにした。