(※2014年11月15日記載。この記事の投稿日は観測日に合わせています)
8等星の食でしたので、本来ならば楽に見られる現象でしたが、見事に曇り空(薄曇り)でした。しかし、ダメ元で挑戦して辛うじて雲の濃淡の薄いところから減光をとらえることが出来たようです。
この結果は、もし単独観測だったり、他所との結果が矛盾するようだったら不成立(不確実な減光観測)として処理されることも覚悟して下駄を預けたつもりでしたが、幸いほぼ同じ線上で同時刻に成功された方がいたため、減光観測として証明されました。途中の復光は(微光だったための)シンチレーション等の見間違いのようです。
今でもこの時の曇り空は時々思い出します。
当時の報告文より抜粋。
今夜10日の小惑星(455)BruchsaliaによるHIP 64064(8.7等)の食を観測しました。 減光らしき現象を確認しましたが、不確実です。 1等星が辛うじて見えるほど透明度の低い(全天薄曇り)条件下で、 一旦持ち出した三脚を抱えたまま、快雲の空を見上げて家に引き返そうと思うほどでしたが、念のため観測してみました。 8等級の目的星も探し出すのに苦労する程でしたが、なんとか予報時刻の2分前になって それらしき星を視野に入れ、監視を始めることができました。 (微光で、通常の12~13等星並の見え方でした) しかし、監視中は視野に他の星が全く見えないため、星の同定に自信が無く、 観測後に視野外の星の配置を確認して、ようやく対象星が正しいことを確認できました。 その時刻の後には雲が薄くなってきたのか、星が見やすくなりました。 「減光らしき現象」の後、1秒程度で一旦再び星が見えた気がしたので、 そこでストップウォッチを押しましたが、すぐにまた見失いました。 微光であったため、この途中の一時的な復光は、単なる見間違いの可能性も高いと思います。 複数の減光?があったので、雲や心理的なものかもしれませんが、 減光の仕方が瞬間的で食の特徴のようでしたので、どちらとも断言できません。 (3月にあった、雲間から見えたHippoの食の方がはるかに自信があります) もし他の観測と矛盾するようでしたら、不成立として処理していただきたく思います。 (追記)メール作成中に高島さんの減光観測を知りました(おめでとうございます)。 北に外れたようですし、うまく整合してくれると良いのですが。。 観測地と、観測地の経緯度と標高,測地系 埼玉県坂戸市内 東経139°26' 50.2"、北緯35°56' 57.1"、高度24m [世界測地系=Google Earthによる] 観測開始と観測終了の時刻 2012年4月10日23時21分00秒~23時23分00秒(JST) 減光観測の有無 不確実な減光 減光開始1 23時22分09.6秒 減光終了1(?)23時22分11.1秒(見間違いの可能性あり) 減光開始2(?)不明。終了1の直後(1秒以内) 減光終了2 23時22分15.9秒 時刻測定の誤差は0.5秒 個人差0.8秒補正済み 時刻保持の方法 固定電話の117時報とストップウォッチによる。 観測方法・機材 ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾) +PL20mm(100倍)による眼視観測 天候・観測条件 薄曇り(雲量10/10)、透明度0~1/5 ■昨日の、(2494)Ingeによる12等星の食は、透明度が低く、 目的星がかすかにしか見えなかったため観測成立できませんでした。
2012/04/11 0:39