2006-12-08(140) Siwaによる2UCAC 39308134(12.4等)食(減光)

日付は12月ですが、実際にこの文章を書いているのは年明けの2007年1月3日です。しばらく雑用で更新できませんでした。

まずは去年の観測。2006年12月8日に起きた小惑星(140) Siwaによる2UCAC 39308134(12.4等級)食の観測です。掩蔽帯が自宅にかかっていたので期待していましたが、そのとおりに減光を観測できました。

今回は、冬晴れで一見すると観測条件はよさそうに思いましたが、実際に目的星を見てみると低倍率では見出すことも難しく、倍率を上げてもシンチレーションによる星像の乱れがかなり激しく観測そのものの不成立も覚悟しました。

シンチレーションのひどさは時折目的星が完全に見えなくなるほどで、監視中はその減光のために現象前に1回(22時18分35.7秒ごろ)ストップウォッチを押したほどでしたが、10月16日の(663)Gerlindeの時に比べれば目的星自体はまだ見やすい方でした。

減光はほぼ確実だと思いますが、気流による減光の可能性を完全には否定しきれません。また、出現直後に激しく星像が乱れ『再減光か!?』と思い、反射的に指が動き2回ストップウォッチを押してしまいましたが、これは気流による減光でしょう。(22時19分9.9秒と22時19分10.6秒)

「2006-12-08(140) Siwaによる2UCAC 39308134(12.4等)食」観測の概要

観測地と、観測地の経緯度と標高,測地系
埼玉県坂戸市内
東経139o 27' 02"、北緯35o 56' 45"、高度21m [日本測地系=国土地理院1/25000地形図より]
東経139o 26' 50.4"、北緯35o 56' 56.5"、高度21m [世界測地系=上記日本測地系より算出]
観測開始と観測終了の時刻
2006年12月17日22時17分00秒~21分00秒(JST)
減光観測の有無
減光を観測(やや不確実。4/5)
減光時刻
減光開始 22時19分05.7秒(誤差0.5秒)
減光終了 22時19分09.3秒(誤差0.5秒)
継続時間 3.6秒
反応差0.6秒を考慮済み。
時刻保持の方法
・ストップウォッチと携帯電話の117時報による。
ポータブルHDDレコーダー&携帯電話の117時報で概略の時刻を確認。
観測方法・機材
ミード製 LX90-20 (20.3cm f10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾)
+SP9.7mmアイピース(206倍)による眼視観測
天候・観測条件
快晴(雲量1)。透明度4/5。
付記
現象前に気流による減光を観測。22時18分35.7秒ごろ。
出現直後にも、気流によると思われる減光(星像の乱れ)を観測。
時刻は22時19分9.9秒と22時19分10.6秒(反応差補正済み)。

後の観測の整約を拝見すると、継続時間においては矛盾はないようですが、経路が近いもう一人の観測者の方と時刻において若干のずれが認められました。そのため、携帯の117と同時録音しておいたHDDの音源を再生したところ、ストップウォッチを押した音の時刻は「22時19分5秒」台と「22時19分9秒」台で間違いないことはわかりました。

この観測の直後にストップウォッチを使用して求めた反応差は、0.4~0.8秒であったので0.6秒としましたが、実際の観測では、「シンチレーションによる減光でない」ことを確信してから押したはずなので、さらに大きめの反応時間(例えば1~2秒)を想定した方が妥当だったかも知れません(その方が「ずれ」は多少小さくなります)。

眼視観測だったので多少の誤差は許容されるかも知れませんが、あまり精度の劣る報告ばかり出すわけにもいきません。眼視観測の限界を思い知らされる観測でもありました。

ともかく、これで3ヶ月連続で減光観測成功っぽい。今月(2007年1月)はどうかな。。14日のフレイアによる食が確率が高そうですが、その日は昼間に東京で開催される某イベントに参加したいので、早く帰れるかがカギになりそうw

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