小惑星(605)Juvisiaによる10等星TYC 1955 1496の食(通過)

2017年3月4日22時51分ごろに予想されていた「小惑星による恒星食」です。OccultWatcherによると当地での減光確率は67.9%と高く、恒星も10.0等と見やすく、時刻も手頃、しかも天頂付近で起きるとあって期待していた現象です。さらに掩蔽帯が人口密集地を通ることもあり、JOIN-MLでも観測の呼びかけが行われました(私もツイートしてみました)。

唯一の気がかりだった天候も、昼間はやや雲が出たものの晴れベース。期待が高まる・・・はずでした。が、私のその日は体調が悪く、土曜出勤を1時間で早退したほど。夕方過ぎまでずっと寝込んでいて、夕食はとったものの、現象直前の22時過ぎまでベッドで横になっていたような体調でした。

なんとか起きて準備を始めると、今度はストップウォッチの液晶表示が真っ白であることに気づきました。実は少し前から(以前交換したタイミングから推測して)電池切れは心配していて、この日の買い物で新電池を購入して交換するつもりでしたが、前述の体調のため果たせずにいました。まったくもって最悪のタイミングです。現象時刻が迫る中、家にあった未使用の古い電池に入れ替えてみたものの、液晶表示は出ず、使用を断念。録音機2つで保時はカバーすることに。一方で望遠鏡のセッティングはいつもどおりにすすめることが出来、現象に備えることにしました。

空の透明度はいまいちでしたが、天頂付近の10等星は見やすく、監視には何の支障もありません。あとは減光を待つだけです。

電話から流れる時報を聞きながら、22時51分ちょうどのアナウンスが流れ、いよいよか!?と思っているうちに一瞬だけ星像が乱れました、しかしこれはシーイングによるもの。そして51分10秒のアナウンス。20秒・・・と過ぎ、ダメだったか~と少々落胆して観測を終えました。とはいえ、食観測自体が約2ヶ月ぶりで、久々に報告できる結果を出すことが出来ました。

当地では通過となってしまいましたが、掩蔽帯は南にずれて観測者が密集する地域を通過したため、小惑星の形状がはっきりわかるほどの成果を上げられた模様です。(以下、JOIN-ML報告文より抜粋。一部改変)

注目の(605)Juvisiaによる10等星の食は、通過を観測しました。
対象の10等星は楽に見え、シーイングも安定していました。
南にずれたのでしょうか。
直前にストップウォッチの電池が切れたことに気づきましたが、
幸か不幸か出番はありませんでした。

■小惑星(605)Juvisiaによる10.0等星TYC 1955-01496-1の食
観測地
    埼玉県坂戸市内
観測開始と観測終了の時刻
     2017年3月4日22時49分00秒~22時53分00秒(JST)
減光観測の有無
  なし。
時刻保持の方法
  固定電話(コードレス)の117時報により確認。
観測方法・機材
     ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾)
  +PL32mm(62倍・視野50分角)+天頂プリズムによる眼視観測
天候・観測条件 透明度3/5、シンチレーション3/5、雲量0/10。月明あり。 

件名 [JOIN:17146] (605)Juvisiaによる10等星の食(通過@坂戸)2017/03/04 23:16

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