(※2014年11月15日記載。この記事の投稿日は観測日に合わせています)
小惑星による減光のみを捉え、直後に雲に覆われて出現が確認出来なかった観測でした。減光を捉えた瞬間、「雲!来るな!」と念じながら視野を凝視していましたが、非常にも2、3秒で視野が灰色の雲に覆われてしまい、再度、出現した対象星を確認した時は20秒ぐらい過ぎていました。
このため、他所でも減光観測に成功して、この減光を証明してくれることを期待していたのですが、天候不良のためか単独観測となってしまいました。おそらく観測点が100メートルずれていれば、不成立になったかもしれないし、逆に出現の瞬間も成功していたことでしょう。今でもこの時の心境は時々思い出します。
当時の報告文より抜粋((678)Fredegundisと同時送信)。
今夜の(426)Hippoによる2UCAC 43923562(11.9等)の食は、 やや不確実ながら減光(潜入のみ)を観測しました。 後述する(678)Fredegundisでもそうでしたが、雲に怯えながらの観測となりました。 目的星は微光でしたが(晴れていれば)監視には問題のない明るさでした。 しょっちゅう雲の減光が起こるため、当地での予想時刻20時16分45秒に 集中力のピークを持ってくるように見ていましたが、 ほぼその時刻に、雲とは異なる瞬間的な減光が起きました。その時他の恒星は見えていました。 しかし、その直後に視野全体が雲に隠れたため、出現は確認できませんでした。 雲の影響の可能性が皆無とは言えませんが、食であろうと思います。 観測地 埼玉県坂戸市内 東経139°26' 50.2"、北緯35°56' 57.1"、高度24m [世界測地系=Google Earthによる] 観測開始と観測終了の時刻 2012年3月13日20時14分10秒~20時17分30秒(JST) 上記時刻内に雲の通過あり。 上記時刻以降は、断続的に雲が通過。 減光観測の有無 あり(確度3/5) 減光開始 20時16分47.1秒(±0.2秒)個人差0.4秒を補正済み 減光終了 不明 (20時17分04秒に目的星を確認) 時刻保持の方法 固定電話の117時報とストップウォッチによる。 観測方法・機材 ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・自動追尾) +PL9.7mm(206倍)による眼視観測 天候・観測条件 晴れ(雲量7/10)、透明度4/5、
2012/03/13 20:54