(※2014年11月12日記載。この記事の「投稿日」は当時の観測日に合わせています)
減光あり。前年9月の(185)Eunikeによる食以来の成功でした。当時の観測メモと報告文があるので加筆修正の上掲載します。
この観測でまたしても(Eunikeの時と同様)、出現時にストップウォッチの操作を誤って出現時刻を消去してしまいましたが(観測メモには「継続時間4.1秒ぐらいだったような?」とも)、テープレコーダー録音を併用していたので、再生してその時の声で時刻を確認出来ました(同じ轍は踏みません!)。テレコの録音での減光継続時刻は4.4秒でしたが、再生速度が4%早かったので、その分を補正して4.6秒としました。
小惑星(820)AdrianaによるFW Vir(6等)の食 観測地 埼玉県坂戸市内 東経139度27分02秒 北緯35度56分45秒 H=21m(日本測位系) 観測時刻 1999年1月18日2時35分30秒~2時43分JST 減光の有無 減光あり 潜入時刻 2時39分52.5秒±0.3秒(個人差0.5秒補正済み) 出現時刻 2時39分57.1秒±0.3秒(個人差0.5秒補正済み) 時刻保持の方法 テープレコーダー+ストップウォッチ+NTTの177時報 観測方法・機材 80mm屈折910mm +K40mm(23倍)による眼視観測 観測条件 透明度4/5 快晴(雲量0/10) メモ この食では、初期予報の掩蔽帯が私の所よりかなり離れていましたが(※1999年当時ネット環境がなく改良予報の存在は知りませんでした)、星が明るいのでとりあえず「何も起きないことを確認する」程度の軽い気持ちで、仮眠を取ってから起きて見るつもりでした。 ところが、寝る前(24時頃)に、予報を見直したところ、予報時刻の26h40m(2h40m)をなぜか4h40mと勘違いしていたことに気づき、そのまま起き続けて彗星や銀河を見て時間をつぶしました(本当に気づいて良かった) 現象の10分前になって、テレコなどを家に取りに戻って準備をし、目的星を導入して待ち構えていたところ、まったくの不意打ちで星が消えました。 潜入・出現時刻ともに、もう少し早い(0.2~0.3秒)可能性はあります。潜入時は驚いて声が出ず、代わりにストップウォッチを押した時のピッという音のみがテープに録音されていました。 出現の時は、一瞬には現れず、光点が大きくなるように、時間をかけて「ジワッと」にじみ出たように感じました。潜入時も同じように消えたと思いますが、断言出来ません(0.5秒以下の微小時間。どちらも単なる錯覚かも知れませんが)
オレンジ色の、目的星の明滅が今も印象に残る観測となりました。