2012-01-14小惑星(564)Duduによる2UCAC 35869248(11.8等)の食(減光)

(※2014年11月15日記載。この記事の投稿日は観測日に合わせています)

当時の報告文より抜粋。

今夜の小惑星(564)Duduによる2UCAC 35869248(11.8等)の食は、明瞭な減光を観測しました。

対象星は最高倍率(313倍)では明瞭に確認でき、楽に観測できるはずでした。
しかし、少し目を離したのち、観測を始めようと再び覗いた時(予報時刻の3分前)になって、
視野の中に対象星がいないことに気づきました。
配線の接触が悪いのか、瞬間的に電源が途切れたらしく、追尾用の設定情報が初期化され、
モータードライブによる追尾が出来なくなっていました。
再設定にも時間がかかるため(最低でも5分)、焦りながらも広視野のアイピースに切り替えて、
微動装置のない経緯台を無理やり動かし、星図と照らし合わせて強引に導入。
なんとか予報時刻の1分前には間に合いました。
日周運動による移動を考え、視野の右下(東)に対象星を入れ、
最小限の時間内の監視(予報時刻の±30秒程度)を余儀なくされました。

幸いにして減光を捉えることができましたが、ある意味今までで一番スリリングな観測を味わいました。

観測地と、観測地の経緯度と標高,測地系
   埼玉県坂戸市内
   東経139°26' 50.2"、北緯35°56' 57.1"、高度24m [世界測地系=Google Earthによる] 
観測開始と観測終了の時刻
    2012年1月14日22時05分30秒~22時06分40秒(JST)
減光観測の有無
  明瞭な減光を確認(確実度5/5)
減光時刻
  減光開始 22時06分16.4秒(±0.2秒)
  減光終了 22時06分22.0秒(±0.2秒)
  継続時間 5.622秒(ストップウォッチの表示)
   開始・終了はいずれも個人反応差0.55秒を補正済み(★
時刻保持の方法
  固定電話の117時報とストップウォッチによる。
観測方法・機材
    ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・手動)
  +PL20mm(100倍)による眼視観測
天候・観測条件
  晴れ(雲量0/10)、透明度4/5。  
  
備考(★
 個人反応差は、観測直後にストップウォッチの液晶表示を星に見立てて、
反応するまで時間差を測定したところ、ほとんどが0.5~0.6秒に収まったので、0.55秒を採用。
誤差は、まれに0.4~0.8秒にばらつくこともあったので±0.2秒としました。
2012/01/14 23:03
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