(※2014年11月15日記載。この記事の投稿日は観測日に合わせています)
当時の報告文より抜粋。
今夜の小惑星(564)Duduによる2UCAC 35869248(11.8等)の食は、明瞭な減光を観測しました。 対象星は最高倍率(313倍)では明瞭に確認でき、楽に観測できるはずでした。 しかし、少し目を離したのち、観測を始めようと再び覗いた時(予報時刻の3分前)になって、 視野の中に対象星がいないことに気づきました。 配線の接触が悪いのか、瞬間的に電源が途切れたらしく、追尾用の設定情報が初期化され、 モータードライブによる追尾が出来なくなっていました。 再設定にも時間がかかるため(最低でも5分)、焦りながらも広視野のアイピースに切り替えて、 微動装置のない経緯台を無理やり動かし、星図と照らし合わせて強引に導入。 なんとか予報時刻の1分前には間に合いました。 日周運動による移動を考え、視野の右下(東)に対象星を入れ、 最小限の時間内の監視(予報時刻の±30秒程度)を余儀なくされました。 幸いにして減光を捉えることができましたが、ある意味今までで一番スリリングな観測を味わいました。 観測地と、観測地の経緯度と標高,測地系 埼玉県坂戸市内 東経139°26' 50.2"、北緯35°56' 57.1"、高度24m [世界測地系=Google Earthによる] 観測開始と観測終了の時刻 2012年1月14日22時05分30秒~22時06分40秒(JST) 減光観測の有無 明瞭な減光を確認(確実度5/5) 減光時刻 減光開始 22時06分16.4秒(±0.2秒) 減光終了 22時06分22.0秒(±0.2秒) 継続時間 5.622秒(ストップウォッチの表示) 開始・終了はいずれも個人反応差0.55秒を補正済み(★ 時刻保持の方法 固定電話の117時報とストップウォッチによる。 観測方法・機材 ミード製 LX90-20 (20.3cm F10シュミットカセグレン経緯台・手動) +PL20mm(100倍)による眼視観測 天候・観測条件 晴れ(雲量0/10)、透明度4/5。 備考(★ 個人反応差は、観測直後にストップウォッチの液晶表示を星に見立てて、 反応するまで時間差を測定したところ、ほとんどが0.5~0.6秒に収まったので、0.55秒を採用。 誤差は、まれに0.4~0.8秒にばらつくこともあったので±0.2秒としました。
2012/01/14 23:03