まったく掴み所がない。20cm62倍で集光のないごく淡い大きな姿はわかる。注意しないと円形だが、やや細長いのはわかる。100~133倍で雲に濃淡が感じられるがその差はわずか。輪郭もはっきりしない、星雲の端に13等以下の微星が接している。167倍で埋もれた微星は見やすくなる。
(付記)日本人には佐渡島のような形としておなじみの「かに星雲」ですが、南東の内岬にあたる部分は淡く輪郭もはっきりしないため、眼視ではなかなかそのようには見えません。大口径では星雲を覆うフィラメントが見えるため、カニから伸びる手に喩えて「かに星雲(The Crab Nebula)」と呼ばれています。小口径で明瞭に見える唯一の超新星残骸でもあります。かつては惑星状星雲に分類されたこともありましたが、近年では散光星雲とされることもあります。
20センチでもとりとめもない姿。8cmで見た時と比べてもあまり明瞭になったとは言えない。多少平たいのはわかるが、平坦で輪郭は不明瞭。星雲上に微星が載っているようにも見える。
(付記)。いわゆる「佐渡島」の長軸とスケッチの星雲の方向が違うのは、星雲の濃い部分の長軸が輪郭の長軸と直交しているためのようです。そのおかげで、輪郭が予想と異なるので観測時にはよく惑わされます。
2015-01-21 20:34:12