2つのごく淡い銀河が並ぶ。NGC3511。拡散しているが中心はやや明るい。20cm62倍~167倍で見えるが、100倍が最も見やすい。細長い。NGC3513は拡散しているが集光はある。核は星状?円形。3511よりわずかに見やすい。133倍より100倍の方が良い。
星雲星団スケッチ
主に20cmシュミカセでスケッチした星雲星団を更新していきます。夏の天の川が辛うじてわかる程度の住宅地でのスケッチがメイン。20年以上前に8センチ屈折で見える星雲・星団をほぼ全て(約900天体)描き尽くしたので、それもあれば同時に公開。
更新日は、必ずしも観測日ではありません。
記事中の性状(光度、視直径)などは特筆しない限り観測時に測定したものです。カタログ値ではありません。
夜半まで雨だったが、この時間は快晴。低空にあり極めてかすか。位置を知ってやっと捉えられた。集中度が低く平坦だが、20cm62倍でも星に分かれそう。大きく拡散している。100倍でもコントラストは上がるがあまり見やすくはならない。
(補足)Caldwell 79としても登録されているほ座の球状星団です。赤緯-46度の南天にあり、当地では南中高度が10度しかありません。本来は8等級とされる明るい星団ですが、南の低空は東京方面の光害がひどいので20cmをもってしても確認するだけでも精一杯でした。
20cm62倍でよく集光した、拡散した雲状。中心核は星状。ほぼ円形。100倍以上で注意するとごく淡い両腕が伸びるのがわかる。167倍でも核は微星状。
超低空ですべての星が大きくぼける。一つの輝星を端にやや星が箱状に集まっている部分がある。このへんが星団のようだが拡大しても星像が大きくなるだけで微星は見えてこない。
(補足)当地(北緯36.0度)から見られる最も南の天体の一つです(ちなみに私が見た最南端の星団はNGC2547)。赤緯は-48度で、南中高度は6度しかありません。個々の星が明るいおかげでかろうじて見ることが出来ます。箱状の星の内外にも11等以下の星がいくつか集まっているようですが、わかりませんでした。
20cm62倍でかすかで存在のみ。100倍以上で、微星がそばにあり、星雲がやや東西に平たいらしいことはわかる。拡散しているが、中央集光があり、167倍では拡散。二重には見えてこない。
(補足)おおいぬ座にある微光銀河でIC2163との二重銀河として知られています。しかし、スケッチ時28度の低空にあったためか、注視してもやや潰れてみえるだけで、2207に付随するはずのIC2163はわかりませんでした。もう少し条件が良いか、大きい口径であれば二重銀河に見えるかもしれません。
低空にあり、20cm62倍でかすか。100倍程度で多少見やすいが、淡いことに変わりない。やや集光のある彗星状。星にはまったく分かれない。167倍でもあまり良く見えない。
20cm低倍率でも、重星のまわりに淡い光芒が取り巻いてるのがわかる。雲の集光度は平坦だが、星のまわりはやや濃く、206倍以上では重星にさらに微星が1個、雲に埋もれているのがわかる。雲の輪郭・形状は拡散してわからない。
(補足)英語圏ではIC417散光星雲とこのNGC1931を合わせて"the Spider and Fly nebulae"と呼ぶことがあるようです。蜘蛛型のIC417は写真の対象ですが、この1931は小口径眼視でも見ることが出来ます(8cmのスケッチは記事の続きで公開)。中心星は、3個よりさらに多くの微光星から成るため、M42オリオン大星雲のミニチュアに喩えられることもあります。1931星雲にはSh2-237など星雲としての別名が与えられるためか、1931自体を散開星団と分類する文献もあるようです。
三角形の星列の近く。わずかに集光のある楕円形。拡散しているが20cm133倍で中心がやや明るく星状の核があるように見える。