彗星アーカイヴ

20cmなどの眼視観測によるスケッチがメイン。ごく稀に写真。「投稿日」は観測日時に合わせてます。
昔のスケッチもこっそり上げるため、突然10年以上前の「投稿日」が出るかも。

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  • 0021P-2018_004.jpg
  • 17.72UT m1=7.8, DC=5-6, dia=5', tail=6' (20.3cmシュミットカセグレン 36倍)
  • 17.76UT m1=7.8, DC=-, dia=5' (5.0cm双眼鏡 7倍)

空の透明度が良く、素晴らしくよく見える。視野の中でも最も明るい天体になっている。中心角は12等の恒星状。1時40分頃は12等星がコマの中にあったが、ぐんぐん移動していった。集光も強い。20cm100倍以下では下方(西南西)に伸びる尾がひと目で分かる。目をそらすと結構長いよう。付け根は幅広い。317倍ではコマ内部は太陽方向の方が明るい(扇状?)光度は近くの7.8~8.0等星と同程度。もっと明るいかも。48P、64P、38Pは見えず。

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  • 0021P-2018_003.jpg
  • 09.58UT m1=8.6, DC=5, dia=4' (20.3cmシュミットカセグレン 36倍)

雲が迫っていたので、まだ低空だったが大急ぎでスケッチ。以前と比べ見違えるほどよく輝いている。いかにも彗星らしい彗星を久々に見た気がする。よく集光し、20cm62~100倍で中心は星状核。意識するとコマが変形し尾のように伸びている気がする。光度は近くの7.9等星に近い気もしたが、8.7等星にほぼ同じ~わずかに明るい。

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  • 2017S3_002.jpg
  • 20.74UT m1=7.7, DC=4, dia=5' (20.3cmシュミットカセグレン 36倍)

ちょうど屋根の向こう側にあって薄明直前にやっと姿を現した。北極星がギリギリの透明度の悪い空でも、一見してよく見える。20cm62倍では集光が弱い。平坦なコマ。9等星が接している。167倍で星状にちかい核がわかる。光度は7.7等星~7.0等星に近い。コマが大きい。5cm双眼鏡ではわからず。

(補足)7月1日ごろにバーストを起こして減光に向かっていましたが、数日前に再バーストを起こしていたようです。

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  • 0021P-2018_002.jpg
  • 20.65UT m1=10.0, DC=4-5, dia=2' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

前日は、望遠鏡を向けた途端雲に覆われたので1時間早く観測。集光のある姿でみやすい。透明度が悪く輝くほどではない。コマに微星が近い。光度は近くの9.9~10.2等星とほぼ同じ。NGC7354は小さく集光した星雲。167倍で見やすい。

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  • 0021P-2018_001.jpg
  • 13.70UT m1=10.4:, DC=4-5, dia=2' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

20年ぶりの再会。空の透明度が悪いが天頂ちかいためか、20cm62倍でも光斑としてわかる。62倍では集光は感じられないが100倍で小さく集光しているのがわかる。変形しているように思えたが、詳しく見る前に雲で覆われ、5分で見えなくなってしまった。光度は10.9等星より明るい。10.3等以下か?

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  • 2017S3_001.jpg
  • 02.73UT m1=9.2, DC=3, dia=2.5' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

透明度は良くなく、月明が強く残る条件(肉眼で3等星まで)の中、20cm62倍で拡散した姿がわかる。ある程度の大きさを持って、集光は弱い。100倍以上で、多少中央集光が目立ってくる。コマのちかくに微星がある(62倍でわかるが、167倍で明瞭)。光度は、8.9等星、9.5等星の間。8.9等星に近い。9.1~9.2等か。

2017年の冬から2018年にかけて、深夜~夕空に見られた彗星です。当初は微光で、あまり注目していませんでしたが、2017年の10~11月頃に明るめの観測報告が入るようになりました。写真でも集光の強い姿が紹介されたため、私も挑戦してみたところ、眼視でも集光した姿が見つかりました。

当初はごく微光でしたが、急速にコマが拡大し、さらに写真では複雑に入り組んだ見事の尾が、ネットでも公開されるようになりました。COBSでは9等台の報告もありましたが、私の印象では、非常に淡く11等程度のかすかな姿に終始しました。COBSの報告値も2等級程度のばらつきがあります。

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地球から遠ざかり、夕空に低くなったため(5月の近日点通過を前にして)、私の観測は2月が最後でした。

この(2018年)秋以降、太陽から離れ北上するため、もしかしたらもう1回チャンスがあるかも知れませんが、r=3auを超えているため、眼視では厳しいでしょう。

(過去の彗星を思い出して更新するシリーズ)

20世紀末の大彗星として前年の百武彗星C/1996 B2とともに、記憶に残っている方も多いでしょう。私にとっても特に思い入れのある彗星で、スケッチ枚数は最終的に100枚以上に達しました。

  • IMG_1899.JPG ヘール・ボップ彗星だけでファイル1冊分に。

そのヘール・ボップ彗星が発見されたのは1995年7月。当時の私にとって最大の彗星はハレー彗星だったので、1等級の大彗星が現れる!と報じられてもいまいち実感がわきませんでした。

発見当時は彗星の動きが遅かったため、なかなか軌道が決まらず、本当に明るくなるか不確実だったようです。しかし、1993年4月の写真観測が見つかったことで(観測期間が大幅に伸び)軌道が確定し、大彗星となる可能性が高まりました。

私が最初に大彗星発見の一報を知ったのがマスコミだったか、天文雑誌だったかは忘れましたが、ともかく、夕方の南に低い空を8センチ屈折で必死で何回か探しました。いくら明るいと言っても約10等。簡単には見えてきません。

  • 1995O1_000.0.jpg 1995年8月の最初のスケッチ(見えなかった)

何度か挑戦して、10月になってかろうじてそれらしい姿を捉えましたが、実感に欠けるものでした。この時は同じ空に122P/1995 S1デ・ヴィコ彗星と、分裂・バーストした73P/シュワスマン・ワハマン第3彗星が、さらに明け方にはブラッドフィールド彗星C/1995 Q1が見えていました。

1995年の末には一旦太陽との合を迎え、1996年2月、早朝の東の空に姿を現しました。光害の多かった夕空に比べると明らかに見やすくなり、ここからが本格的な観測スタートです。この時は折から接近中だった百武彗星C/1996 B2に加え、もう一つの百武彗星C/1995 Y1、さらにシェパンスキ彗星C/1996 B1と4彗星も同時に見え、観測時間の割り振りにも困りました。

1996年のヘール・ボップ彗星は、木星軌道から接近中で、じわじわと明るくなって来ていましたが、期待した程の増光は示さず、大彗星への見通しにわずかながらの不安もありました。

彗星の姿は、鋭い中心核と透明感のある独特なコマが印象的で、これは(水ではなく)COの蒸発によるものだったのかも知れません。スケッチ画像を整理して気づきましたが、尾の伸びる方向が反太陽方向から時計回り方向にずれていました。ダストの尾が曲がっていたため、その根元を見ていたせいかもしれません。

1996年の夏には同じ空に22P/コップ彗星ブレウィントン彗星C/1996 N1、秋にはテイバー彗星C/1996 Q1が姿を現しました。1年12ヶ月間ずっと見え続けていたため、若干飽きが来て、もう永久にヘール・ボップ彗星が居続けるんじゃないかと思えるほどでした。

そして、いよいよ迎えた1997年。正月3日には早くも東の低空に4等級の尾のある姿で見え始め、すぐに肉眼でも見えるように。2~3月には夏の大三角の下に同じ1等星の彗星が並び、さながら「夏の大四角形」のようでした。唯一残念だったのは、彗星が太陽の向こう側にあり遠かったこと。高度も低く、小さい姿に終始してしまいました。光度はマイナス1等に達しましたが、大気減光を考慮した数値で、実際の印象としては1~2等級にとどまりました。

普段はスケッチしか描きませんが、めったにこない大彗星なので記念写真も撮りました。すべて標準レンズの固定撮影でしたが、24枚撮りフィルムで3~4本使いました。まだデジタルカメラが普及しておらず、フィルム現像に1日+1本1000円以上かかった時代です。掲載したもの以外にも、彗星をバックに自撮りした写真や、しだれ桜と一緒に撮ったものもあったはずですが、発見できませんでした。

双眼鏡では淡いイオンの尾と拡がるダストの尾、そしてコマ付近の三角形が印象的で、望遠鏡では核付近のスパイラル構造が見られました。これら眼視で見える姿は、写真で見る姿とはかなり異なるものでした。

このうち、核付近のスパイラル(渦巻き)構造は3月初旬から見えだしました。当初は直線に近い縞々模様だったものが、3月下旬にはオレンジ色の渦巻状を呈するようになりました。この記事を書くにあたって、北を上に加工したスケッチ画像を並べて気づきましたが、(尾の方向角が次第にずれていくのに)この渦巻の方向は常に位置角約220~240°(南西・右下)に向かって拡がっているように見えます。おそらく、彗星核の自転軸の方向と思われますが、このような構造がわずか8センチ屈折望遠鏡でも見ることができました。さすが大彗星です。ヘール・ボップ彗星が明るかったこの時期は、81P/ヴィルト第2彗星が深夜の空に見えていました。

1995O1_075-editPosi-in20-20-0.9.jpg 1995O1_082-editPosi.jpg 1995O1_088-editPosi.jpg

1997年5月を最後に、彗星は南下し視界から去っていきました。一般的には。しかしながら、この年の秋にもう1回チャンスが訪れます。太陽から離れ、とも座にまで南下した彗星が東の超低空に出現。この時の光度は約7等。大彗星の面影はありませんが、それでも充分な明るさです。高度は最大でも10°で、観測は困難を極めました。この時期の夕空には宇都宮彗星C/1997 T1が見えていました。

彗星はさらに南下し、11月には赤緯が-50°を超え、日本からは完全に姿を消しました。初観測から最終観測までまる2年以上。非周期彗星としては異例の長さです。南半球ではさらに数ヶ月長く見えていたはずです。ヘール・ボップ彗星が去った直後には103P/ハートレー第2彗星55P/テンペル・タットル彗星がやってきました。

私の観測からの光度式は、m1 = -0.63+5logΔ+9.23 log r(n=120)で、標準等級がマイナスでした。log rの係数は10を下回ったものの、安定して増光したことがわかります。計算上、標準等級がマイナスになる彗星はたまにありますが、すべて近日点距離が2au以上の遠いもので、実際の絶対光度がr=1auでマイナスになった彗星はほとんどありません。

COBSのサイトから取った2015年10月から2017年末までの光度は、m1 = -0.65+5logΔ+8.34 log rでしたが、同期間の観測数は1万4300以上もありました。私の1996年中の見積もりが暗めなのは、拡散したコマの中心しか見ていなかったためかもしれません。

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彗星の観測は、2006年(約19等)を最後に報告されていません。減光ペースが変わらなければ、計算上は今現在(2018年)も、23等級ほどで見えているはずです。誰か大望遠鏡を使って試してくれないものでしょうか。。

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  • 2016M1_003.jpg
  • 13.70UT m1=9.4, DC=4-5, dia=3' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

約3週間ぶり。夜半に晴れ間が出てきて慌ててベランダに望遠鏡を置いて向けた。かすかにしか見えずすぐに曇ったが、しばらく待って晴れ、今度は明瞭にわかった。20cm62倍で一見すると拡散しているが、中央集光は小さく強い。ちかくに11等星がありまぎらわしい。光度は9.4等星とほぼ同じ。9.25等星よりわずかに暗い。約1時間で移動がわかる。

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  • 2016M1_002.jpg
  • 19.73UT m1=9.7, DC=4, dia=3' (20.3cmシュミットカセグレン 62倍)

20cm62倍で、視野を振っただけで見つかった。前回よりは見やすい。62倍では拡散して集光が弱く見える。コマは外側の淡い部分は大きい。しかし、倍率を上げると中央集光が目だって見え、DCが高く見える。206倍で12等以下の微星状の核があるよう。光度は9等星と比較できる。